独自技術により“からだ全体をやさしく包み込むキレイな風”をキャッチコピーに、デロンギ・ジャパン株式会社が6月6日に都内で初お披露目した「デロンギ 空気清浄機能付きファン<HFX85W14C>」。世界に先駆けて、6月8日(金)より日本で先行販売(オープン価格)を開始した。
そよ風、微風、夜風…など、日本には「風」に関する表現が2000種類以上あるといわれており、同じような風であっても地域や方角、その時の気分によって感じ方は千変万化する。
そんな“風”流な日本でイタリアの人気家電メーカーが仕掛けたアイテムの最大のポイントは、新感覚の心地よいやさしい風。体に負担のかからない、快適で理想的な風を徹底的に追及した。本社があるイタリア・トレヴィーゾと日本の開発チームが共同で取り組み、今までとはまったく異なる新たな概念の風を生み出した。
その特徴は以下の3つ。
まず1つ目は、理想とする“からだ全体をやさしく包み込むキレイな風”を実現するために開発した独自技術「3Dコンフォート・エア テクノロジー」。扇風機に代表される従来の風は、体に対して直線的にあたるため、体感上どうしても温度ムラが存在していた。そのことが体への負担となるばかりか、長時間あたっていると心地よさとは反対にストレスを感じる要因となっていたのだ。(デロンギ社調べ)
そこで「3Dコンフォート・エア テクノロジー」は、物体がなめらかに曲がっていればそれに沿って流れる「コアンダ効果」を応用。その効果を最大限発揮するため核となるのが、なだらかにくびれた形状だ。円筒形でつなぎ目のない洗練されたデザインが目に留まる。
上部から吸い込まれた空気はフィルターを介して清浄し背面へ移送。背面パネルに風を一度ぶつけ、風の流れを整えながら緩やかなカーブを描く形状に沿って進む気流(コアンダ効果)を発生させる。そして、下部の吹き出し口から送り出される2つの気流を前面でもう一度ぶつける。この上から下へと続く気流によって、デロンギが“3Dの風”と表現する上下左右に面で広がる快適な風を作り出しているのだ。
次に挙げられるのが、空気清浄力の高さ。健康リスクを及ぼすとされるPM2.5や花粉、カビや排気ガスなど空気中に漂う有害物質をいち早く除去するため、本体上部に「360度ダブルフィルター」を備える独自構造を導入した。
その効果を確かめるため、日本電機工業会規格が定める家庭用空気清浄機に関する判定基準(JEM1467)に基づいて試験を実施。0.1~2.5µm(マイクロメートル)の微小粒子状物質を32平方m(約8畳)の密閉空間で99%除去に要する時間が90分以内という結果が得られた。これは一般的な同機能製品と比べ、約11%スピーディーに除去できる速さだという。なお、フィルター交換時期は、1日8時間の使用で9カ月を目安にしているとのこと。
そして最後が、1年365日いつでも使用できる対応力&心地よさを実現したこと。近年、異常気象によって季節の変わり目が曖昧(あいまい)になりつつあり、日によっては10度以上の温度差が出る日も珍しくない。そのため、空調コントロールは健康面にも多大な影響を与える要素になっている。
そこで「デロンギ 空気清浄機能付きファン」は、独自の薄型ハイパワーの「DCブラシレスモーター」を装備。温風6段階、涼風10段階の細かい設定を可能にしたことで、季節や日ごと、昼夜によって異なる温度差に対応した優れものだ。
お披露目会場に用意された試用機をさっそく試してみた。すると、体全体はもとより、その周囲にまで行き渡るように届くそよ風の心地よい感覚がはっきりと感じ取れた。また、扇風機など従来の製品であれば本体に近づくにつれて風の強さが顕著になるが、このアイテムは近づいてもその差がすこぶる小さかった。これは本体前方で風をぶつけているため、かなり前の段階で空気の広がりが始まっているからだ。
ちなみに、想定されているベストな距離は約1.8mとのこと。また、「コアンダ効果」を得るためにはファンを強く回す必要があるが、モーター音の静かさも鮮烈な印象。加えて、求める風の強さは個人差があるので、設定段階が細かいのも嬉しい限り。これなら性別や年代を問わず、幅広く受け入れられるのではないだろうか。
ボタン1つで室内を極上の癒やし空間へと導くこのアイテム。市場想定価格は5万9880円(税別)とされているが、その高い機能性から、この夏アツい注目を集めるアイテムになりそうだ。
安藤康之