「行ける工場夜景展2018」が、6月29日(金)~7月22日(日)まで、東京・浅草橋の「TODAYS GALLERY STUDIO」で開催される。さらに、7月27日(金)~8月19日(日)までは、名古屋ギャラリーでの巡回展も決定している。
主催は、株式会社BACON(べーこん)。45万人を動員した人気写真展「ねこ休み展」などでも知られる、企画力に優れたイベンターだ。
「行ける工場夜景展」とは、はっと息を呑むほどに美しい工場夜景、その場所に実際に「行ける」ことコンセプトにした、行動もできる新しいアート体験ができる写真展だ。来場者は、すでに2万人を突破している。
近年、工場を見て回ることは一種のブームとなっている。大きくて動かない、そして無機質だけれど、そこで作り上げられるものを想定すると心がウキウキする。また、周りの光に照らし出された夜景としての工場の美しさは、なんら装飾されていないありのままの姿で見る者を圧倒する。その一瞬を切り取ったのがこの写真展だ。
湾岸の工業地帯は、海から照らしあげられる夜景が温かさと同時にもの哀しさがある。また、山間部にポツンとある工場は、周辺の木々の緑に囲まれてまた風流な表情を醸し出している。工場という建物には、なにか人には出し得ない独特の個性が存在するものだ。
この写真展では、各作品にアクセス情報を添付しているので、自分で見に行ける。展示作品と同じ構図を自分の目で体感することができる。アクセス情報によって、行くだけでなく、自分で撮ることも、開催意図に組み込まれているのも人気の秘訣だろう。
また、特設展示として通常のプリントではなく、アルミフォトパネルを利用したメタルプリントされた作品が展示されており、より煌びやかな作品群が楽しめる仕掛けも。
そして、限定500部公式ガイドマップも内容がリニューアルされ販売される。さらに、先着2000名には、オリジナル工場夜景ポストカードがプレゼントされる。ほとんどの作品が購入可能で、館内撮影も許されている。
参加アーティストは、ブログ「HDR Technoscape」で人気の大倉裕史氏や、工場夜景を求めて全国を飛び回っているMitsu氏。10年前からオートフィルム撮影の写真集を出版している片山栄一氏など全18組が参加。
工場は、建物であるけれど常に呼吸している。何かを生み出すところ、何かを止めるところ、何かが始まるところでもある。有機質でもある工場の姿に、親近感を抱くことになるだろう。
セキノユリカ