花火は夜だけじゃない!明るい空にカラフルな煙が舞う「昼花火」って?

東京ウォーカー(全国版)

花火と言えば、夜空を光と音で華やかに彩るものと思う人が多いはず。だがしかし、昼に打ちあがる花火も確かに存在するのだ。今回はあまり知られていない「昼花火」について紹介しよう。

煙の色が華やかな昼花火(C)K.Takeshi


あまり知られていない昼花火の分類と種類


運動会や昼のお祭りなど、イベントや催事でもお馴染みの開幕を告げる「号砲(ごうほう)」。これは光や煙を出さない音だけの花火で、「昼花火」の一種だ。日没後の夜空に打ち上げる一般的な打ち上げ花火を「夜物」または「夜花火」と呼ぶのに対して、明るい空に打ち上げる花火は「昼物」「昼花火」という分類で区別されている。

ドン!と単発で鳴るものが「号砲」、「ドン!ドン!ドン!」と間隔を開けて連発で鳴るものは「段雷(だんらい)」、時間差なしで一斉に破裂して「ダダダッ」とか「パラパラパラ」と音が鳴るものは「万雷(ばんらい)」。ちなみに段雷は、3発なら「三段雷」、5発なら「五段雷」と呼ばれている。大きな音を出して破裂する「雷(らい)」または「雷粒(らいつぶ)」という部品を花火玉の中に入れているので、それぞれの名称に「雷」がついている。

見る機会が少ない昼花火の競技はレア感抜群!


【写真を見る】昼花火の彩煙柳(C)K.Takeshi


音を出すと同時にカラフルな煙が柳状に垂れる「彩煙柳(さいえんやなぎ)」や、発煙筒をパラシュートで吊って色煙の線で竜を描く「彩煙竜(さいえんりゅう)」、パラシュートに旗がついた「旗物(はたもの)」、人形や動物をかたどった紙製の袋を空中に漂わせる「袋物(ふくろもの)」など、昼花火にもさまざまな種類がある。

夜花火の代表格「菊」に対し、昼花火には色煙で菊花型を描く「煙菊(えんぎく)」も。いずれの昼花火も夕刻の空に映え、鮮やかに色が浮き立つよう工夫されているものが多いようだ。

空の色や雲の量、風向きなどが花火の見え方に直接影響してくるので、夜花火が花火単体の美しさを競うのに対し、背景となる自然の空とあわせて楽しむ情景美こそが昼花火の醍醐味と言えるのかもしれない。

昼花火の袋物(C)K.Takeshi


現在、昼花火の競技は「大曲の花火」の昼花火の部でしか鑑賞できないものの、独特のアイデアと技術を駆使した煙と音の芸術は見応え十分!夜花火とは違った魅力に出会えること間違いなしだ。

ウォーカープラス編集部

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