空高く打ち上げられ、夜空に鮮やかな花を咲かせる花火。なかでもひときわ大きな花火には自然と歓声がこぼれるものだ。そんな花火の大きさや打ち上がる高さは、実は普段あまり見ることのない花火玉と密接な関係にある。今回は花火のサイズにまつわる豆知識を紹介しよう。
ギネス世界記録に認定された花火
2018年1月1日に「世界最大の花火」として新たにギネス世界記録に認定されたのが、アラブ首長国連邦のアルマジャン島にてアメリカのGrucci社が打ち上げた花火。花火玉の内径は、1397mm(55インチ=約4.6尺)、重さは1087.26kg(2397ポンド)という巨大さだ。
さて、日本ではどうだろう?
そもそも日本では花火のサイズを尺貫法の寸(約3.3cm)で表していたので、今では1寸=1号として「寸」の代わりに「号」を基準としている。10寸=1尺なので、今でも10号玉の呼び名は「尺玉」となっている。
一般的には花火玉の大きさは2.5号玉から40号玉まであって、10号玉以上の大きさになると、それぞれ尺玉、二尺玉、三尺玉、四尺玉と呼ばれている。ただし、花火の号数は基本的に玉の直径サイズでなく、打ち上げる際の打ち上げ筒の内径を表しているので、たとえば玉の直径が4尺(約120cm)ある場合は筒のサイズが4尺の「四尺玉」と明確に区別するため「正四尺玉」と呼ばれる。
また、花火玉の構造上、1つの玉に仕込む内容や細工が充実するのは5号玉以上の大きさで、それより小さな玉は主に玉数を多く必要とするスターマインなどに使われるという。
打ち上げられる高さや開花したときの直径も花火玉の寸法次第。尺玉ともなると、東京タワーとほぼ同じ高さの約300mまで打ち上げられ、開花時の直径は約280mにも広がる巨大サイズの花火となる。
これが三尺玉なら高度、直径共に約600mで東京スカイツリークラス、さらに四尺玉なら約750mという規模!まさに想像できないレベルの高さと大きさだ。打ち上がる高さを中心点としてさらに開花するということは、さらに半径分高いところまで花弁は到達するということ。そのスケールは圧巻のひと言だ。
町中が花火一色に!片貝まつりの名物・四尺玉
四尺玉といえば、全国的に知られる大会として新潟県小千谷市の「片貝まつり」が挙げられる。浅原神社への奉納煙火であり、誕生や結婚、成人、還暦や厄払いなどの節目に個人や家族、同級会などが神社に花火を奉納する形式で行われる特徴的な行事だ。
1985年に正四尺玉の打ち上げに初めて成功し、後日、「世界最大の打上花火」として当時のギネス世界記録にも認定された。以降、毎年打ち上がる四尺玉が名物となっている。
これから花火はどこまで大きくなっていくのか?この夏は花火のサイズに思いを馳せながら観賞するのもいいだろう。
ウォーカープラス編集部