「私は日本代表のサポーター」トルシエ氏がW杯への期待を語る

東京ウォーカー(全国版)

元サッカー日本代表監督のフィリップ・トルシエさん6月14日、「ODAIBA FOOTBALLFANZONE 2018」のオープニングセレモニーに登場した。

日本のロシアW杯での活躍に期待を込めるトルシエさん撮影=藤巻祐介(TAKIBI)


2018 FIFAワールドカップ ロシアの開幕を迎えるこの日、トルシエ氏は「また日本に来ることができてとてもうれしいです」と喜びを口にした。「このW杯イベントに参加できて、感動を皆さんと一緒に経験できるとワクワクしています」と語ったトルシエさんは、友人に会うためなどの目的で年に2,3回の来日はしているが、長く貴重な時間を過ごした日本は特別な国だという。

1998年に日本代表監督に就任したトルシエさんは、2002年の日韓W杯で日本代表をベスト16に導いた。あれから16年、当時と現在の日本代表には大きな変化があると話す。

「代表チームの中身自体が大きく変わったと思います。(代表)選手の8割近くがヨーロッパをはじめとする海外でプレーしています。選手たちは成熟し、多くのことを経験したことで自分たちの良いところを出している。才能溢れる選手が増え、それが日本の支えになっている。ロシアでも活躍を期待しています」

日本代表へのエールをユニフォームに撮影=藤巻祐介(TAKIBI)


ロシアW杯開幕を2カ月後に控えた4月にヴァイッド・ハリルホジッチ監督が解任され、西野朗監督が率いることとなった日本代表。トルシエさんは「私はW杯前は冷静でした。それは、4年間しっかり準備して大会を迎えられたから。今回はこういう状況ですが、『やることは全てやってきた』と集中して、自分の身体、自分の足が決めてくれることを信じて臨めばいいと思います」とコメント。さらに、前日のスペイン代表の監督交代についても言及し、日本代表よりさらに急な解任劇となったが、トルシエさんは「選手のほうが監督よりも重要」と強調した。

「スペイン代表の監督が解任されました。でも、チームのクオリティーに影響するかというと、あまり関係ないと思います。監督がチームに対してできることは10〜15%くらいのこと。大事なのは選手が力を発揮するために、一体感を上げてコミュニケーションを取ること。監督も大事ですが、選手のほうが重要です」

最後に、日本代表がグループリーグを突破する可能性は?という問い掛けに対し、「私は日本代表のサポーターなので、“60%”と言っておきましょう」と期待を述べ、日本のサッカーファンに向けて「チームも選手も監督も、周りの雰囲気がとても気になるもの。私は2002年、日本の地で監督として戦った中で毎日、感じとっていたことがあります。それは、大きな“青い波”が後押ししてくれる、そういう気持ちでした。あたたかいメッセージがどれだけチームに力をくれるか。日本代表はたったひとりで何もない状態でいます。彼らに『こんなに応援しているぞ!』という気持ちを、メッセージを届けてあげてください。『ともにある!』ということをしっかり伝えましょう」とコメントした。

【写真を見る】イベントを終え、深々とお辞儀をするトルシエさん撮影=藤巻祐介(TAKIBI)


サッカー日本代表は6月19日、ロシアW杯グループリーグ初戦、コロンビア代表との一戦に挑む。

浅野祐介/ウォーカープラス編集長

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