「風の谷のナウシカ」「火垂るの墓」「千と千尋の神隠し」など数多くの名作を世に送り出してきたスタジオジブリ。その本質を「言葉」で伝えてきた鈴木敏夫プロデューサーの軌跡をたどる「スタジオジブリ 鈴木敏夫 言葉の魔法展」が6月23日より名古屋市栄の松坂屋美術館(松坂屋南館7階)で始まった。
本展は、鈴木敏夫プロデューサーの幼少期の制作物から近年の作品まで約700点を展示。初日に行われた開幕式には鈴木敏夫プロデューサーも参加し、出身地でもある名古屋や地元中日ドラゴンズへの愛も語った。会期は6月23日~7月16日までの24日間(会期中は無休)。
遊び心いっぱいの演出が至るところに
会場となるのは松坂屋の南館。1階の北東入口から足を踏み入れると「夢だけど 夢じゃなかった。」と「となりのトトロ」で有名な台詞が書かれたエレベーターが出迎えてくれる。そのエレベーターで7階にあがると松坂屋美術館にたどりつく。
場内は7章に別れており、名古屋市で生まれ育った鈴木氏の幼少期の制作物や、徳間書店時代に編集長を務めたアニメージュや仕事資料、ジブリの原点でもある鈴木氏に影響を与えた作品など、ファンならずともお宝な展示物がいっぱい。さらには、スタジオジブリ作品の膨大な手書き資料やキャラクターデザイン、宮崎駿監督が手掛けた幻の短編アニメーション「ユキと太陽」のパイロットフィルムの限定上映もあり、時間を忘れて楽しむことができる。
鈴木プロデューサーの頭の中を覗いてみよう
また「鈴木敏夫プロデューサーの脳内を探索する」というユニークな試みも。暗い部屋の中に佇むドームの中に入ると、そこは360度鈴木敏夫の世界。見上げる壁には「言葉」「言葉」「言葉」。人に会うと「ついメモする癖がある」という、鈴木氏の脳内を垣間見れる仕掛けになっている。
「飛び出せ!言葉の魔法」など撮影スポットも
本展では、記念になる撮影スポットも充実。作品から言葉が飛び出してくるような「飛び出せ!言葉の魔法」や「千と千尋の神隠し」の湯屋の模型、コニャラ大仏などを撮影することができる。さらにコニャラ大仏に至っては触るのもOK。ギュっとするとモフモフでかなり癒されるので、ぜひ触ってみて欲しい。おみくじもあるので運試しにひいてみるのもいいのでは?
また、名古屋会場では、鈴木敏夫プロデューサーが「かれこれ15年近く全試合を見てる」「ジブリより詳しいかも」と明かす中日ドラゴンズのコーナーも。今シーズン特に鈴木氏が期待を寄せる福田永将選手会長や、松坂大輔投手、京田陽太選手に向け書きおろしたキャッチコピーや、ドラゴンズとジブリの関係がわかる展示もあるのでお楽しみに。
鈴木敏夫氏とは?
1948年、名古屋市生まれ、幼少期を名古屋市で送る。慶應義塾大学文学部卒業後、徳間書店に入社。『週刊アサヒ芸能』を経て、『アニメージュ』の創刊に参加。副編集長、編集長を務めるかたわら、「風の谷のナウシカ」「火垂るの墓」「となりのトトロ」など高畑勲・宮崎駿作品の制作に関わる。1985年にスタジオジブリの設立に参加、1989年からスタジオジブリ専従に。以後ほぼすべての劇場作品をプロデュース。現在、株式会社スタジオジブリ代表取締役プロデューサー。著書に「人生は単なる空騒ぎ-言葉の魔法-」(KADOKAWA)などがある。
おみやげコーナーも充実
会場を出ると、ジブリや本展のオリジナルグッズなどを購入できるコーナーも。会場で発売している「人生は単なる空騒ぎ-言葉の魔法-」(1836円)は、名古屋会場限定の特別付録が付くほか、鈴木氏のサイン入りもあるので、早めにゲットしたい。また両口屋是清とのコラボ商品「言葉の魔法展 オリジナル千なり」も発売中。ぜひ、おみやげにいかがだろうか?
鈴木敏夫プロデューサーの軌跡は、同時にスタジオジブリの軌跡にも繋がっている。ぜひ、この機会にご覧になってみては?
にしおあおい