パン激戦区・世田谷で異彩を放つ「Shima」のスペシャリテとは?

東京ウォーカー

日本屈指のパン激戦区が世田谷だ。三軒茶屋界隈だけでも、「シニフィアン シニフィエ」や「ブランジュリー パリの空の下」など有名店が点在している。ここにあって、特にカレーパンで人気を博しているのが「Boulangerie Shima」(ブーランジュリ シマ)。最寄駅からは徒歩で15分程度かかるが、遠方からもお客が訪れる人気店だ。

オープンは2007年の2月。駒留通り沿いにあり、外にはテラス席が用意されている


オーダーごとに調理する常識破りの揚げパン


数あるメニューの中でも、「チキンスパイスカレーパン」(270円)は店主の島 健太シェフ渾身の傑作だ。これはカレー界の第一人者・水野仁輔さんとの出会いをきっかけに、飛躍的な進化を遂げたスペシャリテである。結果、中身のフィリングはホールとパウダー両方のスパイスを駆使した奥深い味となり、パン自体も焼きから、揚げカレーパンへと変貌を遂げることに。

【写真を見る】「チキンスパイスカレーパン」(270円)は、注文ごとに揚げるという常識破りのレシピ。通常なら約5~6分かかるが、約3分で揚がるようになっていて長時間待つことはない


カレーパンが揚げるタイプへ進化してから2年後に誕生し、以来双璧をなすほどの人気を誇るのが「チーズ揚げパン」(324円)だ。カレーパンと同じ生地を使用し、もちろん揚げたてのため、衣はサクサクで生地はもちもち。しかもフィリングはモッツァレラ、ゴーダ、チェダーをブレンドしている。コクがあり、塩気もよく伸びがいいので、揚げたてはアツアツのとろ~りとしたおいしさを楽しめる。

「チーズ揚げパン」(324円)


目指すのはだれにでもおいしい味わい


もちろん揚げるパン以外にも絶品ぞろい。たとえばプレーンタイプなら「リュスティック」(194円~)、ペストリーなら「けしの実デニッシュ」(216円~)などが人気。生地へのこだわりは、パンごとに思い描くコンセプトを達成すること。そのために自ら粉を厳選してブレンド。使う酵母菌、副材、製法をチョイスし、理想のパンを作り上げる。ときに珍しい素材を使うものの、目指すのはマニアックな味ではなく、だれでもおいしく食べられるパンだ。

プレーンなパンも充実。特に「リュスティック」(194円~)は、島さんの古巣「パン・ド・コナ」時代からのスペシャリテ


「けしの実デニッシュ」(216円~)。ケシの実とアーモンドのコク深く濃厚な味わいが特徴だ


土日は特に混むが、平日の14~17時は比較的すいているそう。揚げたてのパンや、暑い日にうれしい「アイスパン」(213円)などはすぐに食べるのがオススメだが、お土産用もじっくり吟味して楽しもう。

東京ウォーカー編集部

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