2018年6月30日、名古屋・栄にあるSKE48劇場で、SKE48チームKⅡの2年ぶりの新公演「最終ベルが鳴る」が初日を迎えた。「最終ベルが鳴る」公演は、2008年から2009年にかけて大島優子、秋元才加、宮澤佐江らが在籍したAKB48チームKが行った演目で、SKE48が挑戦するのは初めて。
チームKⅡといえば、2018年6月16日にナゴヤドームで開催された「AKB48世界選抜総選挙」で、選抜入りしたリーダーの大場美奈さん、惣田紗莉渚さん、古畑奈和さんをはじめ、松村香織さん、高柳明音さん、荒井優希さん、小畑優奈さん、江籠裕奈さん、内山命さん、竹内彩姫さん、日高優月さん、青木詩織さん、水野愛理さんの13人がランクイン。まさに今、人気と勢いがあるチームとして注目されている。
初日公演の前にゲネプロ(最終通し稽古)を公開。小畑優奈さんがセンターを務める「マンモス」でスタートすると、公演タイトル曲でもある「最終ベルが鳴る」「ボーイフレンドの作り方」「偉い人になりたくない」を次々に披露し、ダンスに定評のあるSKE48らしいパワフルでキレのあるパフォーマンスを見せてくれた。
中盤のユニットコーナーでは、小畑さん、水野さん、太田さんによる可愛い楽曲「初恋泥棒」や、古畑さんと江籠さんによる妖艶でセクシーな「おしべとめしべと夜の蝶々」など、振り幅の広い楽曲で楽しませてくれる。
大場さん、青木さん、松村さんは、チームKⅡのメンバーを毒舌をまじえて紹介する「20人姉妹の歌」を披露。曲の途中で大場さんが松村さんに「初日なんだし、ニュースになるようなことを言ってくださいよ」とお願いすると「ニュース?もうそんなのないよ」と答えるが、青木さんが「昔の職業は?」と聞くと「歌舞伎町でキャバクラ」、「今まで付き合った男性の人数は?」と聞かれると「ちゃんと付き合ったのは4人」と答えた。さらに、「貯金額を教えてください」と言われ、「絶対にヤダ!後輩にたかられるもん」と拒否するも、最後には指で4本を示し、4桁万円だと告白。
アンコールを含めて全16曲。仲間との絆を歌う「支え」では、これまでのことを思い返して高柳さんらが涙を流す場面も。
ゲネプロにはメンバーの家族も多く見にきていることを受けて、MCでは差し入れの話に。古畑さんの家族からはアイスの差し入れを、青木さんの家族からはトマトやゼリーなど、そして大場さんの家族からは叙々苑の焼肉ライスバーガーの差し入れがあったことを報告。京都出身の荒井さんは「『八つ橋持ってきて』って言ったんですけど、『みんな飽きてるでしょう』って言って、持ってきてくれなかったんです。あれだけ言ったのに」と残念そうな表情を浮かべていた。
ゲネプロの後の囲み取材には大場さん、小畑さん、惣田さん、高柳さん、古畑さんが出席。今回の演目に「最終ベルが鳴る」を選んだ理由を聞かれ、大場さんは「前回の公園(「0START」)が明るくハキハキとして笑顔で踊る感じだったんですけど、もっとパワーアップしたい、これまでよりももう一段階上のチームKⅡを見せられたらいいなと思って」と答えた。さらに「最近、AKB48の劇場公演がネットニュースになったりしているのを見ました。SKE48は名古屋で公演をやっているので全国の方が集まりにくいと思いますし、気軽に来れるわけではないと思います。でも、SKE48の劇場ではこんな衣装をを着て、こんな公演をやっていますというのをニュースにしてもらえれば、まだ劇場に来たことがない人にも魅力が伝わればいいなと思っています」と答え、新しい公演への自信もうかがえた。
小畑さんも「まとめる役を初めてやらせていただいていますが、これまではこういう立ち位置に向いてないと思っていました。でも、任されたのには意味があると思いますし、この公演を通して、ちゃんとできるようになりたいなと思っています」と、責任感のある役目にやりがいを感じていると答えた。
総選挙を振り返って、惣田さんは「2年連続で選抜に入れてもらえて、しかも今年は速報圏外からだったので、ホッとしていますし、本当にうれしいです。(SKE48が)1、2フィニッシュした時はうれしかったんですけど、私はただ見てるしかなかったのは悔しくて。もっと向上心をもって頑張りたいと思います」、古畑さんは「今年は無理かなって思っていたので、選抜に選ばれた時は素直にうれしかったです。スピーチでお酒のことをお話しさせていただいたら、予想以上に反響があって、そのおかげで自分にしかできない成果を得られたことがありがたいです」と嬉しい気持ちを語った。
そして高柳さんが「ランクインできなかった子は悔しい思いをしてると思います。でも、劇場公演を見にきてくれた人が『順位なんて関係ないんだ』って思ってくれたら嬉しいですし、未来に期待したいので、次の目標を見つけて頑張ってくれるといいなと思っています」とメンバーを思いやる気持ちを伝えて締めくくった。
編集=伊藤甲介(東海ウォーカー編集部)/取材・文=田中隆信