2年ぶりとなる跳ね馬の祭典「フェラーリ・レーシング・デイズ富士2018」が6月30日と7月1日の2日間、富士スピードウェイで開催され、会場にはフェラーリファンのほか、約400台の車両が集まった。
最新型フェラーリもお披露目
会場では、フェラーリの最新モデル・Ferrari 488 Pistaが日本で初お披露目されたほか、日本へのフェラーリ正規輸入50周年を記念し、2016年に10台のみ生産されることが発表されたFerrari J50の納車第一号機も展示され、現行ラインアップと共に注目を浴びていた。
また、F40やF50、エンツォ・フェラーリ、F12 tdfといった過去のフェラーリの名車たちも数多く登場。さらにオーナー自らサーキットを走行し、快音を響かせていた。
パドックにはフェラーリ公式グッズを販売するブースも設けられ、F1グッズのほか、ライセンス商品を買い求める人の姿が目立った。
その中にはフェラーリから図面を供給して制作したという、販売価格150万円を超えるワンオフの1/8ミニカーの姿も。精巧に作られたミニカーの姿を見た人からは、溜息が聞こえていた。
カスタマー向けレーシングサポート部門が全面バックアップ!
また、フェラーリが行っているカスタマー向けのレーシング部門「コルセ・クリエンティ」の全面サポートによるオーナー向けレーシングプログラムも開催。
その中には、イタリアで車両を管理しているため日本では滅多にお目にかかることができない、LaFerrari(ラ・フェラーリ)のサーキット向けバージョンFXX Kや599GTBフィオラノをベースとした599FXXを走行するXXプログラムも含まれ、ファンの注目を集めていた。
イベントのクライマックスは、過去F1グランプリで走行した車両を幸運なオーナーがドライブできるF1クリエンティ。
1989年、ナイジェル・マンセルがドライブし、今では当たり前となった、ハンドル近くに取り付けられたパドルでギアを変更するセミオートマチックトランスミッションを採用したF89(F640)をはじめ、ミハエル・シューマッハやフェルナンド・アロンソ、キミ・ライコネンなどのドライバーが実際にF1の舞台で戦ったマシンが走行。今では聞くことができない往年のF1サウンドが富士山の麓にひろがり、ファンを魅了した。
そのほか、フェラーリ488GTBをベースにしたレース車両で行う世界最高峰のワンメイクレースも開催。日本のみならず中国や台湾といったアジア圏の選手も参加し、白熱したバトルが繰り広げられた。
このレースのメカニックはWEC(世界耐久選手権)をはじめとするレースの経験がある本社メカニックが担当しており、最高の車両コンディションでレースを楽しんでいた。
コルセ・クリエンティの責任者であるアントネッロ・コレッタ氏もイタリアから来日。
「私たちにとって日本は重要なマーケットであり、一般公道車両もレース車両も高い比率を誇っています。コルセ・クリエンティでは現在300台近いマシンを管理していますが、そのうちの8~9%は日本人オーナーです。また、日本のオーナーは他のアジア圏に比べて、レースに対して大変熱心なように感じます。今後も日本でこのようなイベントを行いたいと考えいます」と日本市場に対する期待とファンの情熱について語った。
オーナーでなくても、その魅力を体験できるフェラーリの祭典。創業者であるエンツォ・フェラーリ生誕120周年を迎え、さらに発展を続けるフェラーリから目が離せそうにない。
栗原祥光