餃子をこよなく愛する“餃子女子“が注目されて久しいが、なぜ、そこまで餃子がブームになっているのだろうか?年間200軒以上を食べ歩く、餃子専門ブログ「東京餃子通信」の編集長・塚田亮一さんに最近の傾向を聞いた。
「SNSを検索してお目当てを探す“餃子女子”が増えたことで、ビジュアルを意識した創作餃子がこの2年ほどで急増しました。例えば、フレンチの技法を用いている餃子バル『GYOZA! 365』は、凍らせたチーズのムースをのせた斬新な餃子で女子の心を射止めています。また、餃子のお供といえばビールが定番ですが、近年はワインや泡モノ、クラフトビールと一緒に楽しむお洒落な餃子専門店がオープンラッシュです」。
さらには変わり種餃子も百科繚乱だと話す。「豆腐であんを包んだり、あんがレアチーズのスイーツ餃子まで登場するなど、アッと驚くメニューが誕生していますね。デトックス効果が期待できるスパイスたっぷりの薬膳餃子や、ビーガンの方でも食べられる野菜餃子など、ヘルシー路線も顕著です」。
以上の塚田さんの話から、餃子をとりまく最近の傾向を4つにまとめてみた。
01.女子が入りやすい、おしゃれな餃子店が急増
「中華屋さんで瓶ビールと一緒に!」のイメージが強い餃子だが、近年は女性を意識した餃子推しのバルが流行中。餃子を提供するクラフトビール店やバー、外国人を意識した和洋折衷ダイニングなど、デートにも女子会にも使えるおしゃれなスポットが増えている。
02.見た目も大事!ザ フォトジェニック餃子
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従来の餃子は具材の内容にかかわらず似たようなビジュアルだったが、最近は餃子の中ではなく上に盛大にパクチーがのっていたり、トロトロのチーズと絡めて食べるチーズタッカルビ風の餃子が誕生したり。とにかく華やかに進化して女子の心をわしづかみにしている。
03.女子ウケ抜群!ヘルシー餃子
そもそも餃子自体が、肉のタンパク質、野菜のビタミン、皮の炭水化物を一度に摂取できる栄養満点の"完全食"で、餃子ダイエットもかつて話題になったほど。最近は、野菜餃子や薬膳餃子が増え、さらにヘルシー志向の現代にフィットした食べ物へと進化中。
04.仰天具材にギョギョッ!変わり種餃子
実は変化球の具材は昔から存在し、特に中国の東北地方の人は伝統的にさまざまなものを包んできた歴史がある。なので本場の中国人が経営するお店では、フカヒレやホタテ、クルミなどの変わり種餃子と遭遇する確率が高い。近年はスイーツ餃子まで登場し話題になっている。
おいしいはもちろん、さまざまな可能性のもと進化し続ける東京の餃子文化にこれからも目が離せない。
●「東京餃子通信」編集長・塚田亮一さん:「マツコの知らない世界」(TBS)の餃子回にも案内役で登場。グルメブロガーユニット「たべあるキング」の餃子担当でもある。
取材・文=城リユア、イラスト=かざまりさ、撮影=齋藤ジン