10月よりスタートする次期連続テレビ小説「まんぷく」のロケセットが公開。物語が始まる昭和初期の「大大阪」と呼ばれていた大阪を再現したセットに、主演の安藤サクラも「本当にタイムスリップしたような気分になりました!」と大興奮の様子だった。
日本で初めてインスタントラーメンを生み出した夫婦の知られざる物語を描く「まんぷく」。食べることが大好きなヒロイン・福子(安藤サクラ)と、その夫である萬平(長谷川博己)が失敗を繰り返しながら、やがて世紀の大発明へとたどりつく懸命な姿が描写される。物語の舞台は、昭和初期の大阪。東京をしのぐほど経済的にも繁栄し「大大阪」と呼ばれた時代から物語がスタートする。
今回、ロケ地として選ばれたのが和歌山市にあるテーマパーク「ポルトヨーロッパ」。石畳やレンガ造りなど中世のヨーロッパの雰囲気を感じさせる同所に、モダンな装飾を施し、軍需景気に沸く活気ある大阪の街を見事に再現。
当時にすでにあったとされる地下鉄。今回は出口をセットでつくり、当時の雰囲気を再現。映画館のセットには当時を思わせるイラストポスターが飾られており、タイトルを含むデザインは当時にありそうなものをスタッフがイメージして創作。また、当時にもあったオープンテラスのカフェなどもあり、華やかな街を表現。車も当時のものを使用するなど、徹底的なこだわりが光るセットで物語を彩っていた。
美術担当のデザイナーは「あながちこれが嘘にならないくらい、当時の大阪にも石造りのモダンな建物が並んでいました」と話し、御堂筋のような長い通りがあり、なおかつモダンな建物が並んだ賑わいのある街が再現できることから同所をロケ地に選んだと説明。大阪のさまざまな街の要素をミックスして本作の繁華街・中央通りを完成させた。
今回のロケでは、放送第1週(10月1日から6日)のシーンを中心に撮影。まずは、地元のボランティアを含む70人以上のエキストラが参加し、賑わいをみせる繁華街・中央通りのシーンが撮影された。撮影監督の「よーい、スタート!」の声と同時に、エキストラは思い思いのアクションで演技。女学生、年老いた夫婦、親子連れ、子供たちと、エキストラ全員はいきいきとした表情を見せた。
エキストラの衣装に注目すると、洋服、和服など実にさまざま。「当時はファッションも建築も移り変わって、いろいろな新しい文化が取り入れられていた時期でした。和洋折衷、いろいろなものが混ざっているというのが面白いところです」と美術担当のデザイナーは解説する。また、当時は既製品の洋服は一切なく、すべてがオーダーメイドだったため、エキストラの衣装も縫い目や細かいボタンまでこだわって作ったそう。
「このセットの街は大阪一のおしゃれタウンという設定なので、女性はパーマをしていたり、一張羅の服を着てきていたり、ここに来るために気合いを入れておしゃれをしています。男性はハット帽が特徴。この時代のマナーとして、帽子は必ずかぶっていました」と、エキストラの細かいところまで注目してほしいと美術担当のデザイナーは話す。
ヒロイン・福子演じる安藤もロケに参加。女学校時代からの親友・鹿野敏子(松井玲奈)と池上ハナ(呉城久美)と久しぶりの再会を果たすシーンなどが撮影された。エキストラも含めた撮影のため、リハーサルも入念に行われ、細かい動きなどを撮影監督と確認しながら進めていく。キャストもスタッフもリラックスした表情で、現場の雰囲気の良さを感じた。
安藤は今回の和歌山ロケを振り返って「本当にタイムスリップしたような気分になりました!街並みがとっても素敵で、ハナちゃん、敏ちゃん役のお2人(呉城・松井)ともこのロケでググッと距離が縮まったように思います。すごく気持ちのいい撮影でした」とコメントを寄せている。
山根翼