選手を支えるキラリと光る“最高のマネージャー”を発掘する連載。今回は「西南学院大学女子ラクロス部」です。
田尻グリーンフィールド(福岡市西区大字田尻)にて行われた練習試合で汗を流す、女子ラクロス部のみなさんと、マネージャー野中このみさんが登場です。
新しいことを始めたい
中学高校時代は、吹奏楽部で活動。スポーツに関わりたい思いはありながらも、運動制限のある持病があるこのみさんは、マネージャー業に興味を持ちます。その思いは、大学入学後、新入生勧誘時に、ラクロス部と出会うことで叶い、女子ラクロス部の一員としての活動が始まりました。
試合までの準備も大事な仕事
取材した日は、福岡教育大学、九州大学との練習試合。試合前には、課題や目標を、部員全体で共有します。続けて、選手たちのアップが開始。このみさんたちマネージャーが、練習環境を整えていきます。
この日のフィールドは前日までの雨も収まり、時折、強い日も差す夏の陽気。このみさんも、選手の体調チェックや、水分塩分補給に気を配ります。試合開始前には、ビデオ撮影やスコア付けなど、このみさんの指示で他のマネージャーたちに役割が割り振られます。
女子ラクロスの魅力
ラクロスは、爆発的なスプリントとストップ&ゴーを繰り返しながら、「クロス」と呼ばれる棒の先に網が付いたスティックでボールを操る、体力の消耗が激しいスポーツ。ボールは硬いゴム製で、選手たちはマウスピースやアイガードで身を守ります。
男子ラクロスと異なり、接触プレイは禁止されているので、スピーディーな展開になることが多いのが女子ラクロスの特徴です。当然、フィールドを駆け回る選手たちの疲労度は大変なもの。
このみさんたちは、試合中、懸命な声出しで仲間を鼓舞したり、残り時間を知らせたりします。選手たちに届くように、このみさんの大きな声がフィールドに響きます。そして、ゲームの流れを注視しながら、スコアを付け、動画を撮影。記録したパス率やショット率は、ハーフタイムに選手に伝えられ、試合の組み立てに貢献します。また、撮影した動画はビデオミーティングでも活用されます。
マネージャーとしての『極意』『ひみつ道具』
《マネージャーの極意》目配り・気配りがモットー。体力負担の大きいラクロスにおいて、選手たちの体調管理は最優先。朝食を摂っていない場合は練習に参加させない、4時間以上の睡眠厳守など、テーピングやマッサージも含めて、選手の身体のケアに気を配ります。
《ひみつ道具》ストップウォッチ、笛、ペンと小さなノート。ノートには、練習メニューやマネージャーたちの役割分担などが書き込まれていて、常に手離しません。
野中このみさんの『ここが最高!』
周囲を明るくする“前向きさ”。
現在3年生のこのみさん。後輩たちに接する時には、否定的な言い方をしないことを心掛けています。やる気を削ぐような否定的なもの言いからは何も生まれない。このみさんの“前向きさ”が女子ラクロス部全体に活気を与えているように感じました。
一年の集大成、リーグ戦開幕!
ラクロスというスポーツの名前しか知らなかった状態から入部。マネージャーとしての活動を通して、細かいルールを学び、その魅力に惹きつけられていったという、このみさん。九州内で、ラクロス部がある高校はほとんどない為、大学入学と同時にみんな一緒にスタートできるところが楽しい、と言います。
7月29日には、第27回九州学生ラクロスリーグ戦が開幕!西南学院大学は、平和台陸上競技場で中村学園大学と初戦を戦います。観戦は無料!一度観戦すれば、そのスピード感溢れるプレーに必ずや魅了されるはず。リーグ開幕戦での西南学院大学女子ラクロス部と、このみさんたちマネージャーの奮闘ぶりをぜひ応援に行ってください!
取材・文・撮影=山本真己
山本真己