恋人の淳一を事故で亡くしたショックから、事故の記憶を失ってしまった女性・泉美が記憶を辿るうちに知る、事故という極限状態の中で2人の本能的な想いが生んだ衝撃の“愛のカタチ”が描かれる映画「瞬 またたき」。本作で恋人役を演じる北川景子と岡田将生は、ドラマ「太陽と海の教室」以来の共演だ。そんな2人が作品、そして本作を通じて感じた“愛”について語ってくれた。
─普通のラブストーリーと違って、かなり衝撃的な愛をテーマにした作品ですが、最初に物語を読んだ時はどのように思われましたか?
北川「泉美は愛する人との記憶を取り戻そうと、一生懸命に前を向いているんですよね。私は撮影現場で事故のシーンを見ているだけでも心が痛むのに、事故を経験してそれを真正面から受け止めていくヒロインは、やっぱり強いなと思いました」
岡田「僕も1人の女性がより強くなって、再生していく姿がしっかりと描かれているなぁと思いました」
─お2人はドラマでは教師と生徒役での共演でしたが、今回は恋人役での再共演になりますね。
北川「たとえ演技でも、初めて会った人と手をつないだりするのは、やっぱり恥ずかしいんです(笑)。でも、岡田君のことはよく知っていたので、安心して演じられましたね」
岡田「そうですね。デートシーンも桜が咲いているすごく雰囲気のいい場所だったので、僕も役にすんなりと入りこめました」
─では、役作りで特に心がけたことは?
岡田「僕は特に意識していたことはなくて、現場で感じたことを大切にしたいと思っていました。あとは、淳一というキャラクターを1人の人間として“喜怒哀楽”をちゃんと表現することですね」
北川「淳一との幸せなシーンと、亡くしてからの悲しいシーンを同時に撮影していて、順撮りじゃなかったので、事故後に足を引きずって歩くシーンはその加減が難しくて、磯村監督と相談しました。あと、事故前と事故後のシーンで“気持ちの切り替えが大変だったのでは?”とよく聞かれるんですけど、特にそうでもなかったんです。現場に岡田君がいると“今日は楽しいシーンの撮影だな”って自然とテンションが上がって、逆にいなかったりすると“(淳一を)亡くしてからのシーンを撮るんだ”って、役と同じように気分が落ち込みました(笑)…その気持ちの切り替えはスムーズでしたね」
─物語の鍵となる泉美と淳一の事故シーンの悲惨な状況に、映画を観ている人もすごく胸が痛くなるのですが、演じていて大変だったことは?
北川「特に岡田君は(体が動かない設定で)ずっと同じ体勢だったから、すごく大変だったよね」
岡田「はい。腰が痛くて仕方がなかったです」
北川「それに5月の北海道で撮影していて、血のりとかもつけていたのですごく寒かったですね」
岡田「このシーンは物語のキーになるので、演じている時はつらいと思っていなかったんですけど、終わってみたら“やっぱりキツかったなぁ。寒かったなぁ…”って(笑)」
─では最後に、本作を通じて“愛”について感じたこと、観客に感じてほしいことを教ええください。
北川「一瞬一瞬を大事に、いま自分の周りにいる人を大切にしようということを感じてもらえるとうれしいです」
岡田「愛する人を命をかけて守れるのか、そう自分に問いかけながら映画を観てほしいです」
【取材・文=リワークス】