エロティックシーンも“伝説”。TSUTAYA映画担当おすすめ傑作ミステリー3選

九州ウォーカー

観終わるとどうしても「エロティックなシーンしか覚えていない!」と、映画ファンの間で伝説になっているミステリー映画を、九州TSUTAYAのシネフィル・今須がご紹介。もちろん作品としても傑作ぞろいです!

「赤い影」(1973年/イギリス・イタリア)


1973年のニコラス・ローグ監督作品。70年代のベネチアを舞台にしたミステリーです。ストーリーとしては、亡くなった娘の亡霊が見えてしまう夫婦の話。ホラーテイストなミステリーとしても評価が高いのですが、この作品を観て多くの人が話したくなるのが、夫婦を演じるドナルド・サザーランドとジュリー・クリスティーンのベッドシーンです。あまりのリアルさに、「これ、本当にやってるんじゃないの⁉」と映画ファンの間で都市伝説化している作品。比較的最近、何かのインタビューでドナルド・サザーランドがこの噂について「そんなわけないだろう」と回答していたので、単なる噂だったようですが、とはいえ、「このベッドシーン、半端ない!」映画。多感な時期の映画少年は、親と一緒に観ると気まずいことになるので、くれぐれもご注意を。

「赤い影」(1973年/イギリス・イタリア)


監督:ニコラス・ローグ 出演:ドナルド・サザーランド 、 ジュリー・クリスティ/110分/廃番 ※写真はTSUTAYAでレンタル中のパッケージ

「氷の微笑」(1992年/アメリカ)


一定の世代以降の方にとっては、エロ×ミステリーのド定番作品だと思いますが、本作が地上波でガンガン放送されていたなんて、今改めて見直すと信じられないなと…それくらいがっつりエッチしてるし、それががっつり写ってる!さらには暴力描写もさすがはド変態監督ポール・ヴァーホーヴェン、容赦ない!本作といえばやはりシャロン・ストーンによる「脚の組み替え」シーンが有名ですが、“史上最も一時停止された映画のシーン”らしいです(苦笑)。このシーンのイメージばかりが先行しがちですが、実はエロ要素と同じくらい、ミステリー要素もばっちり見応えがあるのが本作の魅力!連続殺人モノで、(昔の映画なので言っちゃいますが)おそらく多くの方はシャロン・ストーンが犯人、という印象をお持ちかもしれません。が!実はこれ、厳密には違います!詳細は伏せますが、真相はもっと複雑で、その真相にちゃんとたどり着けるよう、伏線もきっちり張られています。昔観たな~という方も改めて見直してみると、エロだけでない、ミステリーとしての魅力を再発見できるのでは!(でもやっぱり一時停止はしちゃいますが。笑)

【写真を見る】「氷の微笑」(1992年/アメリカ)


監督:ポール・ヴァーホーヴェン 主演:マイケル・ダグラス、シャロン・ストーン、ジョージ・ズンザ/114分/廃番 ※写真はTSUTAYAでレンタル中のパッケージ

「お嬢さん」(2016年/韓国)


「お嬢さん」(2016年/韓国)


サラ・ウォーターズの「荊の城」を原作に、舞台をヴィクトリア朝から日本統治時代の朝鮮に置き換えて描いた韓国映画です。監督は美しい映像とドギツイどんでん返しに定評があるパク・チャヌク。映画としては二転三転するストーリー展開で、ミステリーとしても秀逸なのですが、映画を見終わった後、一番印象に残っているのは韓国人女優がつたない日本語で、いやらしい文章を読み上げるシーン。日本文化に傾倒する韓国人コレクターが、彼のコレクションする春画や官能小説をヒロインに朗読させるんです。これが、放送禁止用語連発で、「何言わせてるんだ!」という感じ(笑)。エロティシズムもここまでいくと笑ってしまいます。とはいえ、絵的なエロさとミステリーのバランスが抜群で、なぜか下世話に感じない不思議な名作です。

「お嬢さん」(2016年/韓国)


監督:パク・チャヌク 主演:キム・ミニ、キム・テリ、 ハ・ジョンウ/145分/発売・販売元:TCエンタテインメント

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【株式会社 九州TSUTAYA/今須 勝地】

株式会社 九州TSUTAYA 九州第1支店 九州商品チーム リーダー。年間400本超、通算5000本以上鑑賞した作品をもとにラジオ、テレビ、雑誌などで映画を紹介。シティ情報おおいた、月刊タウン情報クマモト、TJカゴシマで映画コラムを連載中。Cross FM「URBAN DUSK」内にて映画紹介「CINEMA SWITCH」を毎週木曜18時台に放送。

九州ウォーカー編集部

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