兵庫横丁の角を曲がった花街の名残を伝える石畳の裏路地で、「神楽坂 おいしんぼ」は営んでいる。昭和初期に建てられた日本家屋を改装した店内は、すべて座敷席。和情緒が漂い、ほっこりくつろげる空間だ。また、そこで味わえる生麩(なまふ)料理2品とそれに合う日本酒を取り上げたい。
ハモと湯葉を使った創作和食は夏にぴったり
夏向け料理の1品目は、「時季限定 鱧南蛮」(1080円)。京都の夏の風物詩として欠かせない高級魚、鱧(ハモ)は白身で淡泊、それでいて旨味がある。あっさりした南蛮汁に付け込み、さっぱりしたあと味なので、夏におすすめだ。提供期間はハモの食べごろの9月までの予定。
続いて紹介したいのは、「湯葉の生春巻き」(1054円)。こちらは和風ダシを含ませた湯葉に、季節の刺身と旬野菜を細かく刻んで巻いた定番料理になる。魚は仙台、島根から産地直送で届くものを具として使用する場合もあり、何が巻かれるかは訪れた際のお楽しみ。「鱧南蛮」同様にさっぱり食せる、夏にうってつけの酒肴だろう。
宮城と島根の日本酒が18年夏のイチオシ
それらの料理に合うお酒は、夏限定・純米吟醸の「愛宕の松」と「七冠馬」(共にグラス648円、一合972円)。推薦者の料理長の村上隼人さんが、その特徴を教えてくれた。
「刺身などさっぱりした料理に合い、料理の味もじゃませず、飲みやすいです。『愛宕の松』は宮城、『七冠馬』は島根の日本酒。うちで扱う魚介の仕入れ先も宮城と島根がメインなので、やはり地元が同じ魚と酒は合うんですよ」。ぜひそのペアリングのよさを確かめてみよう。
東京ウォーカー編集部