関西ウォーカーの人気コーナー「銀幕スター＆ギョーカイ人 列伝」が連載50回を突破。それを記念し、大阪・天神橋筋六丁目にあるブックカフェバー・ワイルドバンチにて、映画評論家の平野秀朗と漫画家のはたのさとしによるトークイベント「銀幕スター＆ギョーカイ人 『生』列伝！」が、7月19日に開催された。人気連載の歴史から制作秘話までが語られ、多いに盛り上がったイベントの様子をレポートする。
テレビの番組制作や構成を手がける一方、映画評論家としても活躍する平野が新作映画に鋭いツッコミを入れる関西ウォーカーの人気コーナー「銀幕スター＆ギョーカイ人 列伝」。今回は連載50回突破を記念し、平野とイラストを担当するはたのがイベントに登壇。参加者は20代の女性や平野がパーソナリティを務めていた「ABCアシッド映画館」のリスナーなど性別、年齢層もさまざま。2人は参加者に話かけるなど、アットホームな雰囲気で行われた。
前身コーナーを含めると20年以上連載している平野。KADOKAWA史上最長の連載記録を更新していることを聞いた平野は「赤川次郎を超えています！『三毛猫ホームズ』よりも長く連載しています！」とアピール。本連載の制作の流れについては、まずネタになる作品を平野自身が「読んでもらったときに笑ったり理解してもらえるように」とメジャー作品からチョイスし、原稿を執筆。その後、原稿をもとにはたのが編集担当者と打ち合わせをし、イラストを仕上げると説明。
平野は誌面が出来上がってからはたのが描いたイラストを見るそうで、そのことについてはたのは「信頼していただいているのを感じる。僕は平野さんからどんな原稿が来るのか楽しみで、平野さんは僕のイラストを楽しみにしてくれている。お互い楽しみながらやっています」と話すと、平野から「原稿のオチをイラストで描かんとって！みたいな時がたまにある(笑)」とツッコミが。申し訳なさそうに苦笑いを浮かべるはたのを見て、参加者から笑いが起こった。
次に平野とはたのが初めてタッグを組んだ約12年前の前身コーナーの内容を見ることに。この時のネタはブライアン・シンガー監督の「スーパーマン リターンズ」。平野のユーモアが随所に散りばめられた内容ではあるが、読み上げていた平野も「今では絶対アウトですね(笑)」と言ってしまうほど今ではNGな表現も。はたのも自身のイラストを見て「この頃はコピー用紙に絵の具でイラストを描いて、原稿を電車に乗って編集担当に直接届けていました」と当時を振り返った。
現コーナーになった2015年の連載もプレイバック。特に「ワイルド・スピード SKY MISSION」がネタの回では「ハゲマッチョだらけやん！」のツッコミを皮切りに、シリーズ途中参加のドウェイン・ジョンソンをイジりが満載。現在、分裂が噂される同シリーズの状況に「ファリミー言ってるのに、お前ら分裂してるやん(笑)！」とツッコミを入れると参加者は爆笑。2人は笑いを交えながら人気連載の歴史を懐かしそうに話した。
イベント後半では参加者からの質疑応答が行われた。「夏の新作映画のイチオシ作品を教えて欲しい」との質問に平野は「インクレディブル・ファミリー」をピックアップ。「ただ、何にも残らない(笑)だけど、究極に面白い！テーマパークのアトラクションのよう」と独自の表現でプッシュした。「ABCアシッド映画館」ファンからの「上半期のNo.1映画は？」との質問に対して、平野は「グレイテストショーマン」と即答。内容の良さが口コミだけで広がって観客を集めたと称賛し、今年のベスト3には入ると断言。映画ファンの質問にひとつひとつ丁寧に答えていた。
イベントの終盤にはプレゼントが当たるジャンケン大会が開催。中でも目玉だったのが、はたのが好きな俳優の似顔絵を描いてくれる権利。豪華プレゼントをめぐって、参加者も大盛り上がった。
参加者の20代の女性は「ここでしか聞けない映画の話がたくさん聞くことが面白かったです」と感想を話してくれた。イベント終了後には「2回目やりたいですね」と意気揚々な平野とはたの。次回開催への期待を込めてイベントを締めくくった。
山根翼