7/13、大阪・中之島、国立国際美術館にて、横尾忠則氏の全ポスター展(〜9/12)がスタート! 前日に行われた、記者発表と内覧会を覗いてきた!
横尾氏のポスター展は、珍しくはないが、全ポスターを網羅した展覧会は日本初。2002年より国立国際美術館に寄贈もしくは、当館が購入してきた749点に、他館より借りたポスターを含めた全851点のポスターと下絵、版下に及ぶ作品資料までの約900点もの資料が全て堪能できる。
圧倒的な量の展覧会を見終えた横尾氏の率直な感想とは?
「疲れた(笑)。だけど、50年やってきたことが、歩いて3分くらいで終わる。短いなぁ。ただ、1点1点には濃密な思い出があります」とコメントした。
作品のなかには演劇のポスターも目立ち、中には、松尾スズキ氏の顔のポスターもある。数多くの演劇のポスターを手がける事に関して、横尾氏いわく、「当時は演劇は好きではなかった(笑)。僕は映画が好きなんだ。だから、中身を観ないで作った。内容を全部理解すると逆に作品がつくれないし」と冗談まじりに話をした。
奇抜な作品作りに関しては、「1点1点が僕の中の不透明な内面。雑念をキャッチして、それを表現して作品を作っている」。ただ、直感は普遍性をもたないので、横尾氏のなかで、直感と理性とを闘わせていると。「どんなに小さな画でも、どれ1つ意味のないもの、説明できないものは入っていない」という。
担当学芸員によると、「今回の展覧会は、1960年代後半から年代順に並べてあるが、2000年代の最新作のあとに、兵庫県の西脇高校在学中に描いた作品があるので、横尾氏の最新作と原点を並べてみられる」のも見どころの1つとのこと。
場内には、暗がりの部屋にポスターを宙吊りにしたり、インドをイメージした、お香のような匂いを充満させたコーナーや横尾氏の郷里・兵庫県西脇市を思い出させるような川の音を流す演出もあり、五感をフルに使って楽しむこともできる。
圧倒的な数の作品と横尾氏の熱量を感じる、ぜいたくな展覧会にぜひ、足を運んでほしい。
【関西ウォーカー】