学芸大学駅西口商店街から一本奥の路地に入ると、静かな住宅街の中にポツリとランプの明かりが見える。光に誘われて近づくと現れる小さな店。それが「スタンドバインミー」だ。
この店のバインミーの魅力の一つは、3カ月を費やして開発したパン。「これだけで食べてもおいしいパンを目指しました」という店主・白井瑛里さんの言葉通り、サクふわでほんのり甘いパンは、何もつけなくても食べてしまえるほどの完成度の高さ。
プラス200円でアップグレードできるプレミアムパンは、さらに格別。国産無農薬全粒粉を使用した生地にはふすまが20%練り込まれていて、かじるとホロホロと崩れて口の中いっぱいに小麦の香りが広がる。
プレミアムパンを使った看板メニュー「プレミアムバインミー」(980円)は必食だ。具材はレバーパテにハム、なます、ハーブというオーソドックスな組み合わせながら、随所に独自のこだわりが光る。
レバーペーストは、赤の自然派ワインと野菜を一緒に煮込んで臭みをしっかり抜き、甘めに仕上げている。逆に、ハムにはスパイスを多めに加えてバランスを取る。なますには白ワインビネガーを使用しており、普通の酢に比べて穏やかな香りと丸みのある味わいが特徴だ。ハーブは定番のパクチーだけでなく、ミントやディルをミックスすることで複雑で奥深い香りが生み出されている。仕上げにふりかけたナッツもアクセントになっている。
バインミーを食べ慣れた人にこそ薦めたい、とっておきのバインミーだ。
東京ウォーカー編集部