本当はもっと怖い!?1000人に聞いた「ゲリラ豪雨」のイメージと実態

東京ウォーカー(全国版)

夏場、叩きつけるような雨が突如降り出す「ゲリラ豪雨」。すっかり浸透したこの言葉だが、実際はどのような雨なのか詳しく知らない人というのも多いのでは?

そこで日本気象協会が運営する天気予報専門メディア「tenki.jp」では、全国の20代から50代まで計1000人にゲリラ豪雨に関するアンケートを実施。その結果から、ゲリラ豪雨のイメージと実態のギャップが垣間見えた。(「tenki.jp ラボ」調べ)

「ゲリラ豪雨」のイメージと実態とは?(写真はイメージ)Getty Images


まず、「ゲリラ豪雨」という言葉を聞いたことがあるか改めて聞いたところ、「ある」と回答した人は97.2%。次に、実際にゲリラ豪雨に遭遇したことがあるかを聞いたところ、「何度も遭遇したことがある」と回答した人は52.9%と半数を超えており、「一度遭遇したことがある」人(19.4%)と合わせると、ゲリラ豪雨に遭遇したことがある人は全体の7割を超える結果になった。

「ゲリラ豪雨」という言葉を聞いたことが「ある」と回答した人は97.2%tenki.jp


ゲリラ豪雨に遭遇したことがある人は全体の7割を超える結果にtenki.jp


多くの人が遭遇した経験があるというゲリラ豪雨だが、実はこの言葉は正式な気象用語ではない。ゲリラ豪雨という言葉が持つ印象の強さや、テレビやウェブニュースを通じて報道される機会も増えていることから定着した、明確な定義のない言葉なのだ。

では、一般的にどのような雨がゲリラ豪雨として捉えられているのだろうか。ゲリラ豪雨は感覚的にどんな雨か聞いたところ、「傘があってもびしょ濡れになってしまうような突然の雨」が53.0%、次いで「恐怖を感じて外に出られないような突然の雨」が25.9%。約8割の人が、ゲリラ豪雨は傘などでは防げず、濡れるのは避けられない現象であるというイメージを持っているようだ。

過半数の人がゲリラ豪雨に「傘があってもびしょ濡れになってしまうような突然の雨」というイメージを持っているtenki.jp


一方、学術的な言葉の中からゲリラ豪雨にあてはめるのに妥当なものを探すと「局地的大雨」がこれに当たる。局地的大雨とは、急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十ミリ程度の雨量をもたらす雨のこと。1時間に満たない短時間でも、突然数十ミリの雨が集中的に降ると、傘があっても濡れてしまったり、視界が悪くなってしまう。

また、豪雨レーダーの赤色にあたる1時間あたりの降水量が50ミリ~80ミリ未満の「非常に激しい雨」では、「滝のようにゴーゴーと降り続き、傘は全く役にたたなくなる」ように感じると言われている。

雨の強さと降雨の状況tenki.jp


そこで、豪雨レーダーの赤色(1時間あたり50ミリ~80ミリ未満の強さの雨)からイメージする雨の強さの表現はどれに近いかを聞いたところ、最も多かった回答は、「バケツをひっくり返したように降り、道路が川のようになる」(実際は1時間あたり30ミリ~50ミリ未満の強さの雨の表現)が43.7%で1位となり、次いで「どしゃ降りで、傘をさしていても濡れる」(実際は1時間あたり20ミリ~30ミリ未満の強さの雨の表現)が26.5%で2位という結果に。

レーダー画像の赤色や降水量の数字のイメージと、実際の雨の強さが合っていた人は17.3%と2割にも満たず、なんと7割以上の人が雨の強さを過小評価していることが判明した。同様の降水量となることが十分考えられるゲリラ豪雨もまた、実態よりも危険性が低く認識されているようだ。

【写真を見る】7割以上の人が雨の強さを過小評価していることが判明tenki.jp


最後に、外出先でゲリラ豪雨に遭遇した際に、どう行動するかを調査したところ、「やむまで屋内施設をウインドウショッピングする」が30.5%、「やむまで軒下や屋根のある屋外で待つ」が27.0%、「やむまでカフェやレストランに入る」が14.3%で、TOP3を合わせると約7割の人が、「やむまで待つ」と回答。一方で、「濡れる覚悟で予定どおり移動する」と答えた人は9.9%と、約10人に1人は豪雨の中での移動を続けるという結果となった。

約10人に1人は豪雨の中での移動を続けるという結果にtenki.jp


だがゲリラ豪雨の際は、雨だけでなく、落雷や突風の恐れもあり、無理に行動をするのは危険を伴う。ゲリラ豪雨に遭遇した場合は、屋内や安全な屋外などで雨雲が通り過ぎるまで一休みするのがオススメ。スマートフォンからアクセスできるtenki.jpの『豪雨レーダー』などを活用して、雨雲の状況を確認してから行動するといいだろう。

国分洋平

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