11月上旬ごろから見頃を迎える東海地区の紅葉。雪景色の前に山々が色づく白川郷や香嵐渓のほか、下呂や修善寺などの温泉街もまた風情がある。この秋はカメラやスマホを片手に、色づく木々の写真を撮ってみてはいかが。
香嵐渓
1634年(寛永11年)頃に香積寺第11世住職三栄和尚がスギやモミジを手植えしたのが始まりとされ、大正末期から昭和初期には住民のボランティアでモミジの大植樹が施された。
イロハモミジ、オオモミジなど11種のカエデが約4000本あると言われており、赤や黄色に色づく景色は壮観。11月1日(木)から30日(金)まで開催される香嵐渓もみじまつり期間中は21:00までライトアップされ、夜の幻想的な景色が楽しめる。
白川郷
白川郷は、岐阜県内の庄川流域の呼称で合掌造りの集落が有名だ。地区内に野外博物館合掌造り民家園があり、県重文9棟を含む25棟の合掌造りを保存、公開する博物館。
主屋だけでなく、神社やお寺本堂、水車小屋等がある。主屋は屋根裏まで見学できる。なかでも山下家は、白川村に現存する数少ない18世紀の合掌造りがある。また合掌造り民家園のライトアップを開催。
寸又峡渓谷
「死ぬまでに渡りたい世界の徒歩吊り橋10」にも紹介されている「夢の吊橋」や、飛龍橋等のあるプロムナードコースがあり、尾崎坂展望台からの眺めは雄大。
紅葉が楽しめる時期になると、赤や黄色に色づき、さまざまな葉がダイナミックかつ繊細な景色を織りなす。また、湖面に映った紅葉も見事!
新穂高ロープウェイ
第1・第2をあわせた全長3,200m。日本初の2階建てゴンドラが標高2156mの雲上の世界へ。西穂高口駅の屋上にある展望台からは、西穂高岳、槍ヶ岳、笠ヶ岳などの北アルプスの山々が 360度の大パノラマで楽しめる。
10月20日ごろを過ぎると、真っ青な秋の空に新雪の北アルプスと紅葉のすばらしい景色を見ることもでき、この景色を撮りたい! と何度も訪れるカメラユーザーも多い。
養老公園
養老鉄道養老駅から、養老公園の奥にある高さ30m幅4mの名瀑、養老の滝までの約40分の道のりに、カエデやイチョウなどの紅葉が続く。
例年11月中旬から下旬の土日祝には、滝周辺をライトアップする「養老の滝 ひょうたんイルミネーション」が開催される。
下呂温泉
飛騨川の流域に湧く下呂温泉は、徳川家康から四代の将軍に仕えた儒学者林羅山により、有馬温泉、草津温泉と並ぶ「日本三名泉」のひとつと称された天下の名泉。
一千年の昔、薬師如来が傷ついた一羽の白鷺に姿を変え、飛騨川で傷を癒し、源泉のありかを村人に知らせたとも伝えられている下呂温泉。この白鷺伝説の薬師如来が祀られた寺、温泉寺では毎年紅葉ライトアップが行われ、多くの人でにぎわう。
また、温泉街の東、弘法山のなだらかな丘陵地には、世界遺産となった飛騨白川郷の合掌家屋を10棟ほど移築した合掌集落がある。
大矢田神社
大矢田神社境内の楓谷には約3000本のヤマモミジ樹林があり、美しい自然林は国指定天然記念物でもある。11月中旬から11月下旬は、赤や黄色に色づき紅葉の見頃を迎える。
岩屋堂公園
静かな渓谷の中を流れる鳥原川沿いに架かる鮮やかな紅葉のアーチを眺めながら、ゆっくりと散策を楽しめる。天然の大きな岩のほこらである岩屋堂や暁明ヶ滝、瀬戸大滝といった迫力ある自然の景観もお勧め。
晴天時は、名古屋駅周辺が望める岩巣山展望台からの眺望も素晴らしい。2018年11月10日(土)から18日(日)までの夕刻はライトアップされ、川面に映える色とりどりの景色をはじめ、光に彩られた岩屋堂と暁明ヶ滝も見ることができる。
また、散策ルートの各所に配置した陶と竹のあかりアートが幻想的な光で足元を照らし出す。
両界山横蔵寺
薬師如来像をはじめ22体の国の重要文化財が安置されている両界山横蔵寺。他にも多くの仏像や絵画・書籍を所蔵し、別名「美濃の正倉院」と呼ばれている。約200年前に即身成仏したという妙心法師のミイラもあり。
飛騨・美濃紅葉33選に選ばれ、風格ある建物と鮮やかな紅葉のコントラストはため息が出るほどの美しさ。
赤目四十八滝
約4kmにわたって様々な滝が現れる滝川上流の渓谷。中でも赤目五瀑と呼ばれる不動滝、千手滝、布曳滝、荷担滝、琵琶滝は景観美がよく必見。赤や黄色に色づいた木々が、木漏れ日の中で様々な表情をみせる。
栗原祥光