瀬戸内海と太平洋という豊かな海に囲まれた四国地方。温暖な気候ということもあり、11月上旬~11月中旬頃に見頃を迎える。ここではフォトジェニックな紅葉名所10か所を紹介。この秋、訪れてみてはいかがだろう。
寒霞渓
寒霞渓には表12景、裏8景と呼ばれる2本の登山道がある。登山口から山頂まで表は約2km、裏は約1.8kmの距離だ。秋には寒霞渓周辺の奇岩に沿うように木々が深紅、黄色などに色付き、鮮やかな景観が楽しめる。
麓のこううん駅(紅雲亭)から山頂まではロープウェイで行くこともでき、広々とした車窓から寒霞渓の渓谷と瀬戸内の海岸を一度に見渡すことができる。
石鎚山
西日本最高峰を誇る石鎚山は標高1982m。晴れた日には瀬戸内の景色はもちろん、中国、九州の山々まで遠望できる。石鎚山へは石鎚スカイライン終点の土小屋より徒歩で約2時間30分。
紅葉は10月上旬より始まり、順次南下していく様子が見られる。
栗林公園
江戸時代、高松藩の歴代藩主により100年余りの歳月をかけ完成した庭園。国の特別名勝に指定されており、日本を代表する大名庭園として国内外から高い評価を得ている。湖に映った紅葉と庭園のコントラストは必見。
柏原渓谷
綾川の上流、前山と笠形山に挟まれた約7kmに及ぶ渓谷で、豊かな水の流れと自然が織り成す岩の造形、緑の古木が見事な渓谷美を描き出している。
春にはツツジ、夏には新緑、秋には紅葉など四季折々の景観を楽しめる。例年11月上旬から11月下旬には、クヌギやカエデが赤や黄色に色付くさまを鑑賞できる。
黒尊渓谷
四万十川支流で一番清流度の高い黒尊川の上流域にブナの原生林がある。渓谷のすみきった河面に紅葉が映える様が素晴らしい。
また、ヤイロチョウの生息地、アメゴの渓谷としても知られている。河面に近い河原に降りると紅葉により近づける。黒尊川は平成20年に平成の名水百選に選定されている。
滑床渓谷
目黒川源流から12kmに及ぶ大渓谷。巨大な一枚岩の上を流れ落ちる幅20m、長さ80mの雪輪の滝は、日本の滝100選にも認定されている。
例年11月中旬から12月上旬の期間、滝の周辺をモミジやヒメシャラが彩り、訪れた人々の目を楽しませる。
べふ峡
剣山国定公園の物部川源流域にある渓谷で、四季を通して変化に富んだ風景が楽しめる。紅葉の名所としても知られ、山一面が紅葉に染まる秋の美しさは格別。
シーズン中は「もみじ茶屋」が開店し、田舎寿司や手打ちそば、アメゴの塩焼きなどを味わえる。
金刀比羅宮
約10万平方メートルの広大な神域はうっそうとした樹林におおわれ春の桜、初夏のツツジ、秋は紅葉と四季の雅趣に富んだ美しさを誇る。海抜521mの象頭山の中腹に建立された金刀比羅宮は年間400万人の観光客が訪れる。
眉山公園
清流に映える紅葉が美しい西川渓谷、。日本三大美林の1つである魚梁瀬杉の巨木が立っている。西川渓谷までの道中、魚梁瀬集落の丸山公園内に魚梁瀬温泉(水曜日定休日)がある。
祖谷のかずら橋
平家の落人が追手から逃れるため、切り落とせるように作られたとも伝えられる、秘境・祖谷にあるかずら橋。シラクチカズラ(重さ約5トン)で作られており、長さ45m、幅2m、水面上14mある、国指定重要有形民俗文化財である。
鮮やかに色づき広がる木々の間をかずら橋が繋ぐように伸び、足元は透き通る川がよく見えスリルがある。例年11月上旬から中旬にかけてが紅葉の見頃で、19:00~21:30にはライトアップされ、幻想的な風景が広がる。
栗原祥光