悪役レスラーのゴキブリマスクとして活躍する父親の姿を描く映画『パパはわるものチャンピオン』。公開に先駆け8月24日(金)本作の舞台挨拶付き試写会が大阪のTOHOシネマズなんばで行われた。新日本プロレスの選手で本作の主演を務めた棚橋弘至が登場し、映画にまつわるトークや原作の絵本の読み聞かせが行われた。
原作は岩崎書店の絵本『パパのしごとはわるものです』『パパはわるものチャンピオン』。小学校での読み聞かせで以前より絵本の存在を知っていたという棚橋。当初はプロレスを題材にした絵本が珍しいという理由で目についたと語るが、主演で映画の話聞いた時には運命を感じたという。実は原作者が棚橋のファンでドラゴンジョージという若きエースレスラーは棚橋をイメージして作られたキャラクターなのだが、悪役レスラーを演じることになって「発売から時間も経過してるので今のシチュエーションだとゴキブリマスクなのかな」と振り返った。
今年行われたG1 CLIMAX 28で優勝を果たした棚橋。右ひざの怪我で苦しんできたという棚橋は「若いころの自分はもっと動けてたけど、今とはもう違うということを受け入れて自分のできることでどう戦うか」ということを常に意識して試合に臨んだという。「一人でも多くの人にプロレスのことを知ってもらいたいが結果を残さないとプロレスラーとしての根幹が揺るがされる。『優勝して映画のキャンペーンを迎える』これがモチベーションになった。まさに『パパはG1チャンピオン』です」と喜びを語った。
主演が初めてで緊張したという棚橋。監督からは演技を固めてはいけないという指示を受けていたと語る。「主演は周りの役者の方の演技を受けてその時の感情に正しい演技をすることが大切だと教わった。だから前日にはセリフを頭に入れて受けの準備を整えていた」と話す。そんな棚橋の努力とは思いもよらないところで、相棒役の田口隆祐選手がノリノリの演技を披露。共演の木村佳乃に「どこの劇団の人?」「(プロレスラーと知って)あの人俳優に向いてる」とまで言わしめたという。その時は「俺、主演なのに言われてない」と落ち込んだエピソードを語った。
最後に棚橋が原作『パパのしごとはわるものです』の読み聞かせを行った。改めて聞かされるいい話に観客から拍手が送られた。
映画『パパはわるものチャンピオン』は9月21日(金)より全国公開。
桜井賢太郎