2018年4月、北海道苫小牧市にある鳥獣保護センターから3羽のハヤブサが旭山動物園へやってきました。野生復帰ができないと判断されたオス2羽、メス1羽の計3羽で、東門側のスロープ「ゆっくりロード」で展示されています。
ハヤブサは翼を開くと最大で120cmほどになり、オスよりメスのほうが大きいそう。空高く上昇したあと、急降下して獲物を蹴り落としたり捕らえたりするんですが、急降下のときのスピードはなんと時速300キロ以上! 未知の速さすぎてまったく想像できませんが、とにかくものすごく速い、ということだけは分かります!
そんなハヤブサとちょっと似ているのがタカ。旭山動物園ではクマタカを展示していますが、どちらも猛禽類で昼行性、上のクチバシのほうが大きくてにゅっと曲がっている感じも似てるんですよね。でも最近の研究では、ハヤブサはタカよりスズメやインコに近いということが分かってきたんです!
以前までハヤブサは、分類上「タカ目」というタカの仲間に属していたんですが、ほかのタカ目とは違う由来を持つということで「ハヤブサ目ハヤブサ科」へ分類。DNA解析によって、鳥類のなかで最大のグループである「スズメ目」に近いとされているんです。
とはいえ、見た目はスズメよりタカ似。じゃあどうやって見比べるかというと、まずは「目(虹彩)」です。ハヤブサは瞳孔の周りも濃い茶色をしていて、タカより真っ黒に見えるんですよ。
また、よーく見ないと分かりませんが、ハヤブサは鼻の穴にあたる鼻孔に、タカには無い突起があるんです。実はこの突起、急降下の際、鼻から入る空気の量を調整し負担を軽減する役割があるとされているそう。ほかにも、スピードを感知したり嗅覚に関係しているとの見方もあるのだとか。
そして、何より分かりやすいのが大きさ。タカやタカの仲間のワシと比べると、断然小さいんですね。ハヤブサはハトより少し大きいくらいで、ハヤブサの仲間・チゴハヤブサはハトよりも小さいのです(ハト=ドバト)。園内の動物資料展示館では、オジロワシやクマタカ、チゴハヤブサなど猛禽類のはく製が大きさ順に並べられているので分かりやすいですよ。
ハヤブサが観察できるのは夏期開園中の間だけ。今回紹介したポイントを参考に、クマタカとの違いを見つけてみてくださいね!
※写真提供:旭川市旭山動物園
旭川市旭山動物園 ■開園期間:夏期開園4月28日(土)~11月3日(祝) ■時間:夏期開園9:30~17:15(入園は~16:00)、10月16日(火)~11月3日(祝)は9:30~16:30(入園は~16:00) ■住所:旭川市東旭川町倉沼 ■電話:0166・36・1104 ■料金:大人820円、中学生以下無料
出村聖子