直径11mの初代「黄金の顔」の迫力を体感せよ! 展覧会「太陽の塔」があべのハルカス美術館で開催

関西ウォーカー

9月15日(土)~11月4日(日)、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で、展覧会「太陽の塔」が開催される。大阪万博のシンボルとなった太陽の塔の構想から完成、再生までを岡本太郎の足跡とともにたどる企画展。

直径約11mの初代黄金の顔。万博当時は340枚のパーツを貼り合わせていた。今回は顔正面の196枚を再構成。カメラにおさまらない大きさに圧倒!


1970年当時の太陽の塔内部を再現した模型。内部の赤は血流を表現しているそうだ


お祭り広場に立つ太陽の塔の模型。大屋根から顔を出す太陽の塔は強烈な印象を与えた


太陽の塔は1970年に開催された日本万国博覧会のテーマ館として岡本太郎によって作られた。当時、丹下健三設計のお祭り広場の大屋根を突き破って顔を出す太陽の塔の奇抜な姿は来場者に驚きと強いインパクトを与えた。当初、半年間の大阪万博終了後は撤去される予定だったが、保存を望む声が多く、恒久保存されることになった。しかし、万博終了後、内部の展示物は散逸し、地下展示も失われた。そのうち「いのり」のゾーンにあった「地底の太陽」は兵庫県に譲渡されたが、現在は行方不明になっている。

展示室入口。奥に見えるのは太陽の塔再生時に造られた「地底の太陽」の保存用原型


今回の展示では最初に失われてしまった地下展示をジオラマや模型で再現。その完成度の高さや、展示に込められた岡本太郎の哲学などを追体験することができる。

1970年当時の地下展示の模型。わずかに残された写真などから忠実に再現された


地下展示「いのり」のジオラマ。上からつるされた無数の仮面や神像まで忠実に再現。奥に「地底の太陽」が司祭のごとく鎮座する


ゾーン2では岡本太郎の太陽の塔の構想のスケッチや制作風景に触れることができる。特に等身大のリアルな太郎のヴィネット(情景再現造形)のコーナーでは、太郎が万博当時コンパニオンを対象に実施したレクチャーの音声が流れ、太郎がそこで語っているような生々しさを感じられる。

岡本太郎のヴィネットは記念写真から制作。モノクロームだが、今にも動き出しそうな生々しさ!


さらに、今年3月再び公開された太陽の塔の再生プロジェクトや、太陽の塔に至る当時の太郎の呪術的な作品なども展示、太陽の塔の世界観や哲学に触れることができる。

「芸術は呪術だ」と宣言した1960年代の太郎の作品群も展示


圧巻は巨大な黄金の顔。これは万博当時に作られたオリジナルの顔だが、1992年の改修時に取り外された。すなわち、現在万博記念公園に立つ太陽の塔の顔は2代目ということになる。普段は高さ70mのところにあるため、その大きさはあまり実感できないが今回は平置きで展示。直径10.6メートルの巨大さを体感することができる。

「天空のプレイバック1970~あの時、懐かし博覧会」には、2代目黄金の顔のフォトスポットも


また、60階のハルカス300(展望台)では本展覧会に連動し、「天空のプレイバック1970~あの時、懐かし博覧会~」を実施。万博ミュージアム館長のコレクションの展示のほか、黄金の顔のフォトスポットなども登場。復刻版ユニフォームを着用したスタッフも登場し、1970年代の空気を体感できる。

■展覧会「太陽の塔」

会場:あべのハルカス美術館 住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階 期間:9月15日(土)~11月4日(日)

時間:(火)~(金)10:00~20:00、(土)(日)(祝)10:00~18:00※入館は閉館の30分前まで

休み:9月18日(火) 料金:一般1200円、高大生:800円、小中学生:500円 電話:06-4399-9050

■天空のプレイバック1970~あの時、懐かし博覧会~

会場:あべのハルカス展望台「ハルカス300」60階天上回廊 期間:9月15日(土)~11月4日(日)

料金:観覧無料 電話:06-6621-0300

鳴川和代

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