9月15日(土)~11月4日(日)、あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区)で、展覧会「太陽の塔」が開催される。大阪万博のシンボルとなった太陽の塔の構想から完成、再生までを岡本太郎の足跡とともにたどる企画展。
太陽の塔は1970年に開催された日本万国博覧会のテーマ館として岡本太郎によって作られた。当時、丹下健三設計のお祭り広場の大屋根を突き破って顔を出す太陽の塔の奇抜な姿は来場者に驚きと強いインパクトを与えた。当初、半年間の大阪万博終了後は撤去される予定だったが、保存を望む声が多く、恒久保存されることになった。しかし、万博終了後、内部の展示物は散逸し、地下展示も失われた。そのうち「いのり」のゾーンにあった「地底の太陽」は兵庫県に譲渡されたが、現在は行方不明になっている。
今回の展示では最初に失われてしまった地下展示をジオラマや模型で再現。その完成度の高さや、展示に込められた岡本太郎の哲学などを追体験することができる。
ゾーン2では岡本太郎の太陽の塔の構想のスケッチや制作風景に触れることができる。特に等身大のリアルな太郎のヴィネット(情景再現造形)のコーナーでは、太郎が万博当時コンパニオンを対象に実施したレクチャーの音声が流れ、太郎がそこで語っているような生々しさを感じられる。
さらに、今年3月再び公開された太陽の塔の再生プロジェクトや、太陽の塔に至る当時の太郎の呪術的な作品なども展示、太陽の塔の世界観や哲学に触れることができる。
圧巻は巨大な黄金の顔。これは万博当時に作られたオリジナルの顔だが、1992年の改修時に取り外された。すなわち、現在万博記念公園に立つ太陽の塔の顔は2代目ということになる。普段は高さ70mのところにあるため、その大きさはあまり実感できないが今回は平置きで展示。直径10.6メートルの巨大さを体感することができる。
また、60階のハルカス300(展望台)では本展覧会に連動し、「天空のプレイバック1970~あの時、懐かし博覧会~」を実施。万博ミュージアム館長のコレクションの展示のほか、黄金の顔のフォトスポットなども登場。復刻版ユニフォームを着用したスタッフも登場し、1970年代の空気を体感できる。
■展覧会「太陽の塔」
会場:あべのハルカス美術館 住所:大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16階 期間:9月15日(土)~11月4日(日)
時間:(火)~(金)10:00~20:00、(土)(日)(祝)10:00~18:00※入館は閉館の30分前まで
休み:9月18日(火) 料金:一般1200円、高大生:800円、小中学生:500円 電話:06-4399-9050
■天空のプレイバック1970~あの時、懐かし博覧会~
会場:あべのハルカス展望台「ハルカス300」60階天上回廊 期間:9月15日(土)~11月4日(日)
料金:観覧無料 電話:06-6621-0300
鳴川和代