神奈川県内の人気ラーメン店12店が「ラーメンWalker神奈川2018」読者のために月に1回ずつラリー形式で限定ラーメンを作る「限定麺ラリー2017→2018」。これまでの1年間、神奈川の知られざる食材や、神奈川の魅力を発見できたりと、各店さまざまな限定麺を出して楽しませてくれた。そんな限定麺ラリーも今回が最終回。有終の美を飾るのは「ラーメンWalkerグランプリ'17旨い店ランキング」の神奈川で殿堂入りに輝いた、湯河原「らぁ麺屋 飯田商店」だ。
鶏と水のみの「らぁ麺屋 飯田商店」が、多素材を用いる!
「飯田の淡麗塩らーめん」(950円、1日15杯限定)。食べられるのは、2018年9月20日(木)・21日(金)、22日(土)・23日(日)、24日(月)の5日間だ。一番のポイントは、鶏と水しか使わないのがセオリーの飯田商店が、さまざまな素材の旨味を抽出した神奈川淡麗系に挑戦するというところだ。見た目からして、もしかしたらカンのいい人はおわかりかもしれない。透き通った黄金色の塩スープに、細麺、チャーシュー、タマゴ、小松菜、きれいに重ねられた海苔…。これは、海老名の名店「中村屋」のオマージュである。
「先輩方がいてくれたから今がある」
今でこそ、ラーメンはグルメの中でも画一されたジャンルで、熱狂的なファンも多い。だが、ほんの数十年前まで、ラーメンと言えば「食堂で食べる、安い中華」という印象があった。先人たちはそのラーメンに、自家製麺や厳選した食材という息吹を吹き込んだ。新しい道が切りひらかれる様子から、ラーメンの新たな可能性を見出し、ラーメン店の店主たちはみな影響を受けてきた。以前とは比べ物にならないほど全体のクオリティが上がり、ラーメン店がメディアでスポットを浴びるまでになった。そんな気持ちから、飯田店主は自分のラーメンとは真逆の「多素材」である「中村屋」のラーメンにあえての挑戦をすることにしたのだ。だが、飯田店主はコピーを作ろうとしているのではない。「中村屋」のラーメンをリスペクトしつつも飯田らしい神奈川淡麗系を目指すとのこと。
【ラーメンデータ】<麺>細/角/ストレート(130g) <スープ>タレ:塩 仕上油:香味油 種類:丸鶏・鶏ガラ・豚骨・魚介・野菜
自分たちが歩く道を照らしてくれた、ラーメン業界の諸先輩たちへの感謝の一杯。いつもの「鶏と水だけ」のキレッキレのらぁ麺のファンも、この日ばかりは、飯田店主の気持ちを感じとって欲しい。いままでのこの企画では、店主たちが1年にわたりさまざまな限定麺にチャレンジしてくれたが、最後にふさわしい〆の一杯となった。
また、研ぎ澄まされた天才的な感覚を持つ飯田店主の、多素材で作るラーメンが食べられる機会も貴重である。至高の一杯を食べに行ってみよう。
常に行列店ゆえ、ありつくには至難の業だが、チャレンジする価値はある。
【らぁ麺屋 飯田商店】■住所:足柄下郡湯河原町土肥2-12-14 ■電話:0465・62・4147 ■時間:11:00~15:00 ■休み:月(祝の場合、翌日) ■席数:18席(カウンター10、テーブル8)※禁煙 ■駐車場:15台(無料) ■アクセス:JR東海道線湯河原駅より徒歩10分
毎月開催していた限定麺イベントも、今回で「ラーメンWalker神奈川2018」ぶんは最終回! 食べる際に各店からシールをもらって、本誌の台誌に貼ろう。12店舗すべてコンプリートすると、12店舗からのすてきなオリジナルのレアグッズが抽選でもらえる。定番メニュー(デフォルト)とは異なるこのイベントだけの珠玉の一杯を巡ろう!※なお、限定麺ラリーは誌面(紙)のみ、電子書籍版は対応しておりません。
【ラーメンWalker神奈川2018】限定麺ラリー参加店舗(17年10月)ファットン、(17年11月)弘明寺丿貫、(17年12月)鶏喰~TRICK~、(18年1月)G麺7、(18年2月)麺屋庄太、(18年3月)カミカゼ、(18年4月)渦雷、(18年5月)麺処 秋もと、(18年6月)中村麺三郎商店、(18年7月)地球の中華そば、(18年8月)支那そばや 本店、(18年9月)らぁ麺屋 飯田商店
取材・文/濱口真由美