今年もサンマの旬の季節が到来。食卓はもちろん、東京・目黒をはじめ全国各地でサンマにちなんだイベントが開催されている。一見当たり前のように見える営みだが、実は近年サンマは不漁の傾向が続いている。その影響を受け、昨年開催を断念したイベントもある。東北有数の漁港・気仙沼市の「気仙沼『海の市』サンマまつり」だ。
同イベントの会場となる気仙沼「海の市」は、東日本大震災前は年間100万人の来場者でにぎわった観光施設。地震による被災後、3年4か月の年月をかけ2014年7月に全面復旧した。「気仙沼『海の市』サンマまつり」は同年9月にはじまったイベントで、気仙沼で獲れたサンマを炭火で焼き、来場者に無料にふるまうというものだ。
「海の市」を象徴するイベントとしてリニューアル以来毎年行われていた本イベント。だが、2017年にはサンマが記録的不漁に見舞われ、開催を見送ることとなった。「サンマの水揚げがない日が続き、イベントを開催できる状況ではありませんでした」と、海の市を運営する気仙沼産業センターの担当者は当時を振り返る。
一方、「先週は台風の影響などで水揚げが少なかったですが、今週に入って安定的にはいってくるようになった」と話すように、今年はサンマの水揚げ量が順調。「気仙沼『海の市』サンマまつり」も、2年ぶりの開催が9月22日(土)・23日(日)に決定した。
担当者は「気仙沼港で水揚げされた新鮮で、生でも食べられるサンマが提供できることがうれしい。今年は3連休ということもあり、初めて2日間開催することにしました。平成最後ということと、2018年にちなんで、合計2018匹のサンマを炭火で焼いてふるまう予定です。ぜひ美味しいサンマを味わってください」と呼びかける。大分県よりカボスが、そして気仙沼大島の天然ゆずを使ったポン酢も用意し、準備は万端に整っているという。
また当日はホタテやイカなどの海鮮焼きや、サンマのすり身汁の販売のほか、「海の市」テナント各店が2日通して「つきいちフェア」の開催もされる。
「グルメだけでなく、ショッピングやエンターテイメントなどの施設があるので、ぜひ気仙沼港で一日楽しんでください」と話すように、施設内には、マイナス20度の中での氷像の展示やプロジェクションマッピングなどの演出がある「氷の水族館」や、気仙沼と深いつながりをもつ「サメ」をキーワードにした「シャークミュージアム」といった展示施設も用意されている。この週末は旬の味覚とともに気仙沼の魅力を満喫してみてはいかがだろうか。
国分洋平