映画「プーと大人になった僕」大人になったクリストファー・ロビンの声を演じた堺雅人が一緒に住みたいのは、あのキャラ!

関西ウォーカー

 2017年に公開された「美女と野獣」に続き、ディズニー屈指の名作「くまのプーさん」を実写化した映画「プーと大人になった僕」。本作で大人になったクリストファー・ロビンの日本語吹替を務めた堺雅人にインタビューを行った。意外にも初挑戦だった実写映画の吹替の苦労や少年時代の思い出、そしてプーさんをはじめ100エーカーの森の仲間たちについても聞いてみた。

堺雅人が大人になったクリストファー・ロビンの声を熱演!


「プーと大人になった僕」は、ロンドンを舞台に100エーカーの森を飛び出したプーと大人になった親友のクリストファー・ロビンが奇跡の再会を果たし、忘れてしまった「大切なモノ」を思い出させてくれる感動の物語。クリストファー・ロビンを「スター・ウォーズ」シリーズでも有名の名優ユアン・マクレガーが演じ、堺はクリストファー・ロビンの日本語吹替を務めた。

【写真を見る】「プーと大人になった僕」ビジュアル(c)2018 Disney Enterprises, Inc.


ーークリストファー・ロビンの声を担当すると最初に聞いたときの心境はいかがでしたか?

実はあまり知らなかったんです。プーさんの物語は知っているようで知らなくて。オファーをいただいて原作を読んで、アニメーションのDVDも見て、面白い物語だなと。この機会がなければ、プーさんは、はちみつが好きな可愛いクマという認識のままでした(笑)

ーー堺さんは、小さい頃どんなお子さんだったんですか?

小さい頃はクリストファー・ロビンみたいに本読むのが好きで、特に図鑑が好きでした。フィクションや物語を楽しむようになったのは、大人になってからで、僕が小さい頃にプーさんの物語を読んでいたとしても楽しめなかったかもしれないです。

時折、プーさんを見つめながらインタビューに答えてくれた堺


ーー今回、実写映画の吹替は初めてだったと伺いました。

英語のセリフを聞きながら、それを日本語に吹き替えるのですが、英語のセリフを聞いた感じで話そうと思うと、声が低くなりすぎて抑揚がないように聞こえるそうで、難しかったですね。「抑揚をつけて!」とか「もっとはっきり!」とか日本語吹替版の監督さんから容赦ないダメ出しを受けて。ダメ出し集を出したいぐらい(笑)。

ーー特に苦労したシーンはありますか?

全部苦労しました。当たり前ですけど、日本語吹替版の制作陣の皆さん真剣。英語のセリフの長さにあわせるため、日本語のセリフで足りない何秒かに音を乗せないといけないから、言葉の数を数えたり、訳語を足したり引いたりして。そこまできっちり作られているんだなと思いました。

ーーアフレコ現場の様子は?

僕一人でした。プーさんたちの声が入ってるシーンもあったけど、セリフを受けてリアクションする余裕はなかったですね。もともと何かのせようとは思っていなくて、なるべく目立たないようにと考えていたので、それは自分で演技する喜びとはまったく違う部分ですね。

「プーと大人になった僕」ビジュアル(c)2018 Disney Enterprises, Inc.


ーー堺さんは当初から「僕の存在を忘れてユアン・マクレガーさんに注目して」とコメントされていますね

僕なんかどうでもいいんです(笑)「堺だね」って言われると大失敗ですからね。この作品はユアンさんのお芝居だし、今回僕は裏方だと思っています。

ーーユアン・マクレガーさんの演技を見て、どうでしたか?

いたずらっ子のようで、時折見せる茶目っ気たっぷりな部分は女性にはたまらないでしょうね。劇中で元気のない姿を見ていると「元気出せよユアン!」って思って、ちょっと元気になってくると「それでこそユアンだぜ!」って大して知りもしないのに思っちゃう(笑)そう思わせるところが、ユアンさんの素晴らしさだと思います。

ーー印象に残っているシーンはありますか?

少年の心を忘れていたクリストファー・ロビンが、プーと再会することで徐々に、心を取り戻していくわけですけど、ユアンさんが笑ったときに、僕はホッとしたんですよ。あと、木とか森とか目の前にあるものを言う列車のシーンも、クリストファー・ロビンが、今を一生懸命取り戻そうとする感じがして感動的でグッときましたね。

「プーと大人になった僕」ビジュアル(c)2018 Disney Enterprises, Inc.


ーープーさんをはじめとする100エーカーの森の仲間たちの中で好きなキャラクターは?

みんな少し欠点があって、そこが素晴らしいですよね。僕はイーヨーがすごく好きなんですけど、イーヨーのネガティブなところも可愛らしいと思いますし、ラビットとオウルの喧嘩も見ていて微笑ましい。でも、全員器はちっちゃいですよね(笑)その器の小ささも大好きです。

ーージャパンプレミアの際、ユアン・マクレガーさんは100エーカーの森の仲間たちの中で一緒に住むならプーさんがいいと答えていますが、堺さんはどうですか?

一緒に住むなら、カンガですね。カンガの袋の中に入ってお世話をしてもらいたいです。ルーを追い出して僕が入りたい(笑)

ーープーさんと一緒に住むのはどうですか?

汚しますからね(笑)映画でもはちみつをこぼしたり大変でしたもんね。アニメだとはちみつのベタつきは気にならないですけど、実写のぬいぐるみの質感とはちみつが合わさると、あんなにイライラするのかと(笑)それと、ベタついた家具を雑巾で拭いちゃうクリストファー・ロビンも家事慣れしていない(笑)拭き方が違いますよね。こう(ポンポンと軽く叩く)だろうと。うちも子どもがいますからよく拭いてます。

ーー劇中でプーさんは赤い風船を大事にしていますが、堺さんにとってプーさんの赤い風船と同じぐらい大切なものはありますか?

僕にとって、お仕事は非常にありがたいものですよね。そこでプレイさせていただくわけですから。本当に大切なものだし、毎回楽しい気持ちで臨みたいです。

最後はプーさんと一緒に記念撮影


ーー本作をどのような人に観てほしいですか?

子どもの心を忘れがちな大人に観てほしいです。会社帰りに観てしみじみするっていうのもおすすめの鑑賞法です。

ーー少年時代の堺さんに本作をおすすめするなら、どんなところですか?

子どもが生まれて絵本を一緒に読んでいるんですけど、この機会にフィクションを勉強しているんだと思っています。つい、そこに書かれている教訓や意味を考えがちだけど、物語をまるごと飲み込むことが大切。少年時代の僕に言うとすれば「物語を楽しむって、そういうことなんだよ」と教えたい。でも、少年時代の僕は、ひねくれていたので絶対この映画も観ないと思います。「クマは喋らないでしょ?」って(笑)

山根翼

注目情報