9月25日、東京・日本橋のシンボルともなっている日本橋高島屋に新館(専門店)が新たにオープン。4館(本館、新館、東館、ウオッチメゾン)が一体になった約66,000平方メートルの都市型ショッピングセンター「日本橋髙島屋S.C.」が誕生しました。
今回の目玉となる新館は、出勤前にも利用することができる早朝営業の店舗から、“コト体験”を提供する店舗まで計115店舗が並び、日本橋近隣に住むファミリーや、通勤で同地を訪れる会社員らが利用しやすい施設となっています。
さらに、“現代における日本の文化創造”をコンセプトに、商品構成やフロアごとの環境に合わせたマテリアル選定を行っているのだとか。そこで新館の中でも、筆者が実際に訪れ、特にコンセプトを表していると感じた店舗を紹介したいと思います。
着物や正座、茶道具は必要なし!気兼ねなしに茶道を学ぶ/茶論 中川政七商店
まず紹介したいのは、奈良に店舗を構え、関東では初めての実店舗となる「茶論 中川政七商店」。茶論は“以茶論美(茶を以て美を論ず)”をコンセプトとした、茶道の稽古、喫茶、見世の三つの場からなる店舗で、外観内観ともに格式の高さが感じられます。しかし一歩店に入るとそこには、もっと気兼ねなく茶道に親しんでもらいたいという気持ちがあふれていました。
茶論では“コト体験”の一つとして、気軽に始められる稽古を常時開催。筆者も実際に体験をしてきましたが、一般的な茶室、床の間といった印象とは異なり、稽古場所はなんと畳ではなくテーブル。“日常の中でお茶を楽しんでいただきたい”という気持ちからスタートしたという稽古は、専門用語や難しい言葉が飛び交うようなものではなく、スライドを使用しわかりやすく柔らかい言葉での指導で、まるで先生の家に遊びに来たかのような感覚で茶道を学ぶことができました。
また、店内では茶葉や茶道具などの商品を取り扱う一方で、気軽にお茶の世界を体験出来るよう喫茶スペースも用意されています。季節のメニューを味わえるほか、濃茶や薄茶、焙じ茶などを取りそろえており、自分の好みに合わせて甘味との組み合わせを楽しむことができます。
早朝営業がうれしい!日本橋の朝食を変える心強い味方/365日と日本橋
続いて紹介したいのは、東京・代々木八幡に本店を構える話題のベーカリー「365日と日本橋」。「日本橋髙島屋S.C.」には、近隣の会社員が利用しやすいよう、早朝営業の店舗が数多くありますが、「365日と日本橋」もその一つで、平日は朝7:30から営業をしています。
その「365日と日本橋」で特徴的なのは、販売されるパンの素材や形状です。“毎日の食を大切にしよう。”というコンセプトのもと、丁寧に製造、焼き上げられていくパンには、全国各地から選び抜かれた国産小麦や野菜、果物などが使用されています。さらに、食べ切りサイズのオーソドックスな食パンに始まり、インスタ映えしそうなケーキのようなパンまで種類も豊富。その一つ一つの形状や製法にも意味があるのだとか。
「365日と日本橋」では対面販売を行っているので、パンの形状や製法について聞いたり、その日の体調や気分に合わせてアドバイスをもらったりと、販売員と楽しく相談しながら購入することも可能。またイートインスペースでは、パンだけでなくサラダボウルやサンドイッチ、アサイーフルーツボウルなど、限定メニューも登場するので、朝の忙しい時間だけでなくリラックスしたい時に訪れるのも楽しそうです。
今回は「日本橋髙島屋S.C.」の中でも、筆者が特に気になった2店舗を詳しく紹介しましたが、新館には115店にも及ぶまだまだ魅力的な店舗がたくさん。なかには本棚専門店「HummingBird Bookshelf」など、暮らしのアイデアにあふれた個性的な店舗も。
さらに本館では、9月19日に和洋菓子売り場をリニューアルオープンし、9月21日にはトータルビューティーサロン「ベルサンパティック」がオープンするなど、全館的に話題のショップが集結しています。
これまで百貨店には縁の遠さを感じていた若い世代から、昔から通い馴染みのある世代まで、あらゆる層のニーズに応え、“コト体験”の場を提供してくれる「日本橋髙島屋S.C.」。まずは自分が気になった店から覗いてみて、新たな日本橋の“顔”を楽しんでみましょう!
竹内巴里