舞台「カレフォン」に出演!
廣瀬智紀さんと川栄李奈さんがW主演を務める舞台「カレフォン」。派遣のOLとして働く茜(川栄)は職場で上司から嫌味ばかり言われ、「生きていても楽しくない」と感じるようになっていた。しかし、ある日、クローゼットにしまってあった古いスマホが突然鳴り出し、2年前に病気で亡くなった元カレ・駿(廣瀬)の声がそこから聴こえてきた。そんなファンタジックな世界観と共感できるリアルさが共存した舞台に、柳美稀さんが出演。初舞台となる本作の見どころや自身の役どころについて、お話を聞かせてもらった。
―「カレフォン」が初めての舞台ということですが、決まった時、どんな気持ちでしたか?
「すごいプレッシャーでした(笑)。出演者が5人だけで、私以外の4人の方はお芝居に関しても、舞台に関しても経験が豊富ですから、私だけ舞台初心者ということで胃が痛くなるくらいプレッシャーを感じました。でも、やっぱりうれしいですね、初めての舞台というのは」
―脚本を読んで、どんな物語だと感じましたか?
「川栄李奈さんが演じる茜のように、仕事でつらい思いをしている人って、たくさんいると思うんです。2年前に亡くなった元彼が、スマホに現れて慰めてくれるというのがすごくいいですよね。その彼のおかげで、茜も周りの人も前に向かって進んでいけるというお話なので、共感できますし、観ている人も『自分も前を向いて歩いていかなきゃ』と思える作品だと思います」
―演じる“花田裕美”はどんな人物ですか?
「茜の同僚です。茜より年下で、元ヤンのギャルなので役づくりの必要がなくて、というのは冗談ですけど(笑)。でも、ギャルとかヤンキーの役が多いんですよ。ただ、今回は初めてのOL役です。働いている役はこれまでやったことがなかったので新鮮ですね」
―出演者が5人、しかも女性は柳さんと川栄さんだけですが、川栄さんとは面識はありましたか?
「今回が初めてです。女の子が2人だけということもあってすぐに仲良くなれました。会う前は、テレビなどで観るイメージで勝手に『静かで、あまりしゃべらないんじゃないかな。よくしゃべる私とは正反対の性格なんだろうな』って思っていたんです。でも、実際にお会いしたら、すごくサバサバしていて、いろいろお話をすることもできて、『めっちゃ好きです!』って思いました(笑)」
―演出が鈴木おさむさんですが、稽古中にどんな演出やアドバイスを受けましたか?
「どちらかというと『お芝居に関してはみんなにお任せします』というスタンスで、私にはそれが不安でした。細かく指導するというより、『もうちょっとだけギャルっぽく』とか、ニュアンスの違いをおっしゃる感じです。ほかの方が細かく演出を受けていて、私は何も言われないと、初めての舞台ということもあって不安な気持ちが大きくなって、『私は?』って思ってしまうんです。私はもっと言ってほしいタイプなので(笑)」
―それは、柳さんのお芝居の方向性が合っているから言われないんだと思いますが。
「自分ではそういうところが全然わからないので。ほかの方から『初舞台なのに堂々としてるね』とか『本当に初舞台?』と言われますけど、私自身は演技がまだまだだと思っていますので、とにかく今は初日に向けて稽古を頑張っています」
―この作品の音楽と主題歌を担当するのは大塚愛さん。
「ものすごく作品に合っています。オープニングとエンディングに主題歌が流れるんですけど、最初と最後では全然聴こえ方が変わりました。最後に流れた歌を聴くと、すごく悲しい気持ちになりますから。と、戸塚(純貴)さんが言っていて、そういうふうに意識して聞いてみると、確かに悲しいんです。そこにも注目してもらいたいですね」
―もうすぐスタートしますが、意気込みを聞かせてください。
「出演が決まった時は、経験のない私が大丈夫かなというプレッシャーがありましたが、今は初日が近づいてきたというプレッシャーを感じています(笑)。期間が長いので、集中力を切らさないように気をつけます。東京のほかに、全国いろんな都市を回れることも楽しみです。北海道ではぜひおいしいものも食べたいですね。地元の愛知での公演がないのが残念ですが、家族は大阪に観にきてくれる予定なので楽しみです」
撮影=石塚雅人 取材・文=田中隆信
ウォーカープラス/週刊東京ウォーカー+編集長 野木原晃一