17年から18年にかけて、新潟の人気店が相次いで東京へ羽ばたいている。ラーメン王国・新潟が誇る名物麺の魅力を、全国・全世界に発信していく2店舗を紹介!
新潟から世界へ!麻婆麺ブームを巻き起こす「三宝亭」
1967年に新潟市内で創業し、県内で20店舗以上を展開する、おなじみの「三宝亭」。東北など日本全国、海外にまで出店していたが、特に人気の麻婆麺と酸辣湯麺を引っ提げて15年秋に東京に進出した。その後、東京にほかの麻婆麺の専門店がオープンしたり、有名店がメニューに取り入れるなど、麻婆麺は全国レベルの人気に!
元々あった麻婆麺をブラッシュアップして東京店で出していたメニューを新潟に逆輸入した、「全とろ麻婆麺」(864円)。スープ全体にとろみと旨味を付けた。
「県内では、どなたにも満足いただける味わいと品ぞろえの充実を目指していますが、より専門性の高い商品をとことん追求したく、特徴ある料理でも、人口が多くある程度需要が見込まれる都内への出店となりました。なので東京店は『東京ラボ』と名付けました」(三宝亭事業部 田端さん)
■三宝亭 山田店<住所:新潟市西区山田2307-364 電話:025-231-3336 時間:11:00~15:30、17:00~22:30、土日祝11:00~22:30(LO各30分前) 休み:なし 席数:64席(カウンター10、テーブル36、座敷18) タバコ:禁煙 駐車場:41台(無料)>ほか:県内31店舗、東京2店舗(目黒区・中目黒、渋谷区・渋谷)、国内14店舗、海外8店舗※系列含む
ソウルフード・麻婆麺を独自のセンスで昇華「麺屋 Aishin」
15年に古町で創業してすぐに評判となり、翌年河渡本町に本店を移した「Aishin」が、創業時の店名「愛心」として東京にオープンした。麻婆麺や燕三条系、担々麺、中華そばなどを提供。新潟の甘エビや新発田産の卵を用いるなど、地元愛を随所にちりばめている。新潟発の気鋭のラーメン店として、話題をさらっている。
看板メニューは「麻婆麺」(880円)。中華鍋で作る麻婆あんを、煮干しが香る黄金色のスープにオン。唐辛子のほか、山椒も効いた程よい辛さで、大葉の清涼感もいい。
新潟産などの甘エビを殻ごとペーストにし、濃厚な旨味と香ばしさを凝縮。それを清湯(チンタン)スープと合わせている「海老寿久担々麺(えびすくたんたんめん)」(880円)も見逃せないメニューだ。
東京のラーメンを食べ歩いていたので、激戦地でチャレンジしたいという思いがありました。地元でも好評を頂いた麻婆麺など、メニューは本店とほぼ一緒です。新潟のラーメンの魅力を伝えられるように、東京でも頑張っていきます!」と店主の笠原義貴さん。
■麺屋 Aishin 河渡本店<住所:新潟市東区河渡本町22-16-5 電話:025-279-2200 時間:11:00~15:00(LO)、17:30~23:00(LO22:45)、土日祝11:00~23:00(LO22:45) 休み:なし 席数:39席(カウンター7、テーブル14、座敷18) タバコ:禁煙 駐車場:20台(無料)>ほか:東京1店舗(荒川区・町屋)
新潟ラーメンはブームの火付け役
東京のラーメンシーンを語るに当たり、「新潟」の二文字が必要不可欠なキーワードとなって久しいと、ラーメン官僚・田中一明さんは考察する。2000 年代には、長岡生姜醤油の名店「青島食堂」や、燕三条背脂煮干の実力店「潤」が都内へと進出。都内における新潟ご当地麺ブームの火付け役となった両店は、今もなお健在。多数のラーメンファンの胃袋をつかみ続けている。今では、「我武者羅」(渋谷区)、「安ざわ食堂」(板橋区)など、新潟のラーメンを提供する都内生まれの店も続々登場し高評価を獲得。新潟のラーメンは、都内において確固たる地位を占めるに至っている。
ラーメンWalker編集部