J.K.ローリングによる『ハリー・ポッター』魔法ワールド最新作、映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』。11月23日(金・祝)からの公開が待ち望まれる中、本シリーズの造形美術監督を務めているピエール・ボハナが来日。10月8日(月・祝)に大阪の梅田ブルク7で記念イベントを実施が行われ、ボハナによって生み出された様々な小道具が紹介された。
ピエール・ボハナは『ハリー・ポッター』『ファンタスティック・ビースト』シリーズのみならず、『美女と野獣』(17)や『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(15)など近年のハリウッド映画を多数手掛けている造形美術監督。ボハナは「元々モノを造るのが好きで、仕事が物理的な形として残ることが大きな喜びだった。18歳のころは映画の世界で仕事をするなんて想像もしてなかったけど、1つの仕事が次につながりそれが重なっていって映画の仕事に携わっている」と振り返る。
エディ・レッドメイン演じる主人公・ニュートのスーツケースを紹介。「まず舞台となる1920年代当時の資料を集めたんだ。そして彼の生活を表す小道具なので最終的には『よく使いこまれた安物』という方向性に。それにこれはニュートが別次元に入るためのポータルでもあるので、様々な試作品の底を繰り抜いてエディに入らせたりしたんだ」と制作時のエピソードを語った。
またシリーズ第1作目『ハリー・ポッターと賢者の石』でも登場した「賢者の石」も紹介。「『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』では魅力的な新キャラクターはもちろん、『ハリー・ポッター』のお馴染みのキャラクターやアイテムも登場するんだ。しかし、賢者の石を初めて作ったのがそんな昔とは時が流れるのは怖いね」と17年前公開の当時に思いを馳せた。
ボハナは観客に「とにかく好きなことを続けなさい」と呼びかける。「人は理由をつけて何かとやめてしまいがちだけど、好きなことは貫いたほうがいい。僕と一緒にモノを作っている仲間は才能はもちろんだが、共通して『モノを作るのが好き』を続けてるんだ。みなさんも何かが好きならその好きを貫くことが大事だ」とエールを送った。
桜井賢太郎