優れた国産ナチュラルチーズを表彰する「ジャパンチーズアワード2018」が10月20日・21日の2日間、大崎ブライトコアホール(東京都品川区)にて開催され、チーズ工房タカラ(北海道)の「タカラのタカラ」がグランプリに輝いた。
日本のナチュラルチーズ生産者を応援し、生産者と消費者をつなぐことを目的に、2014年からスタートした「ジャパンチーズアワード」。2年に1度開催され、3回目を迎えた今年は、80団体の国内ナチュラルチーズ生産者から、250点のチーズが出品された。
同アワードはチーズの種類により全19部門に分かれており、部門ごとに金賞、銀賞、銅賞、部門賞を選出し、部門賞を受賞したチーズの中からグランプリを決定。その他、外国人審査員によるフェイバリット賞も発表された。
グランプリを受賞したチーズ工房タカラの「タカラのタカラ」(「加熱圧搾 熟成6カ月以上」部門で部門賞受賞)は、固まったミルクから水分をしっかり抜き、じっくり熟成させて作られるハードタイプのチーズ。土地に根差した酪農にこだわる「幸せな牛のミルク」という牛乳を使用し、作られている。
チーズ工房タカラ・代表の斉藤愛三さんは受賞後、「『タカラのタカラ』はハードタイプのチーズですが、非常に原料の良さが求められ、職人の技術力や熟成環境など、どれも気を抜けない部分があります。1つ1つ色々なことが積み重なってできた集合体だと思っています」と、チーズ作りにかける想いをコメント。「タカラのタカラ」は、そのまま食べるのはもちろんのこと、コーヒーと合わせるのもおすすめだそうだ。
最優秀部門賞には、酪農王国・北海道をはじめ、全国各地の工房が名を連ねていたが、東京からも3工房が入賞。なかでも東京都渋谷区のCHEESE STANDは、「東京ブッラータ」と「出来たてリコッタ」、2つのチーズが最優秀部門賞に選ばれた。
「ブッラータ」とは、モッツァレラの生地で、繊維状にカットしたモッツァレラと生クリームを包んだ、巾着状のチーズ。「東京ブッラータ」はミルクの濃厚な味わいが生きていながらも、チーズのさわやかな酸味とのバランスが絶妙。一方の「出来たてリコッタ」は、ホエイ(乳清)の甘味や、なめらかな食感にこだわり仕上げたという。
生産者の情熱が詰まったチーズが一堂に会した同アワードは、熱狂のうちに閉幕。最後に、審査委員長を務めたNPO 法人チーズプロフェッショナル協会会長・本間るみ子氏は、「今回賞を取った方は、前回も受賞している方が非常に多い。皆さんが実力をつけてきたと感じた大会でした」と今年のジャパンチーズアワードを振り返った。
なお、21日には「第7回 日本の銘チーズ百選」を同時開催。訪れたチーズ好きの来場者は、同アワードに出品されたチーズを試食しつつ、生産者との会話を楽しんでいた。
水梨かおる