10月25日(木)、落語家の桂文枝が75歳にして初の自伝「風に戦いで(そよいで)」をヨシモトブックスから出版。大阪市北区の大阪天満宮・天満宮会館で、発売記念記者会見が行われ桂文枝が会見に臨んだ。
文枝は本書について「自分でコツコツ書いた一冊。読み返すと恥ずかしい部分もあり、もうちょっとうまく書けたらよかったと思う点も。本来であれば出版記念ということでうれしく思うのだろうが、今回は母とのことを書いていることもあり、小さいときからのことを思い出すと少し気持がふさぐようにも思う」と複雑な胸の内を明かす。
気になるのが「風に戦いで」というタイトル。「戦という文字は使っていますが、これは別に戦うという意味ではなく、旗などがはためくという意味。いろんな風、逆風、追い風に乗ってここまでやってきた。風にあらがってきた。今まで生きてきたのが戦いだったような」と文枝。
今回注目すべきは今まであまり語られなかった母との思い出。生まれて間もなく父を亡くした文枝。母は料理旅館で住みこみで働いており、文枝は親戚に預けられて日曜日しか会えなかったと回想する。
「この本を一番読んでもらいたいのは母だが、もし読んだら母とのことを書いているので激怒するかも。でも、もう私が会いにいっても分からなくなっている」と98歳になった母を思い、少しさびしげに語る。
これから本を手に取る人に向けては「私は戦中(昭和18年)生まれ。それなりに苦労してきたと思う。火事や台風におののきながら暮らしてきた思い出もある。同世代の人や若い人、自分が何をやったらいいかわからない人、今つらいと思っている人にに読んでもらいたい。いいことも待っているよと思ってもらえたら」とメッセージを送った。
なお、本書の出版を記念し、記念イベントも実施。MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店などでサイン&握手会が行われる予定。
■風に戦いで(かぜにそよいで) ・発行;ヨシモトブックス ・定価:1500円+税
■自伝「風に戦いで」人数限定!プレミアム出版記念イベント サイン&握手会
日時:11月4日(日)16:00~ 会場:丸善博多店内特設会場
住所:福岡市博多区博多駅中央街1-1 JR博多シティ8階 定員:30人
■自伝「風に戦いで」出版記念 サイン&握手会
日時:11月184日(日)14:30~ 会場: MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店 7F Salon de 7
住所:大阪市北区茶屋町 7-20 チャスカ茶屋町
※参加には整理券が必要 店頭で対象書籍を予約・購入で整理券を配布
鳴川和代