1200年の歴史を持ち、世界文化遺産にも登録される比叡山延暦寺。そこからほど近い「星野リゾート ロテルド比叡」は、琵琶湖を望む優雅なオーベルージュ。古来より近江に伝わる発酵の知恵を用いた鮒鮓や豊穣な近江食材を使った新しいフレンチを楽しめるほか、延暦寺の拝観時間外に行われる「朝のお勤め」にも参加できる。今回はそんな優雅な時間の体験をレポートする。
「星野リゾート ロテルド比叡」までは京都駅から専用の送迎バスで
旅のスタートはJR京都駅から。八条口から専用の送迎バスに乗車できるのでそちらを利用する。同乗した人たちの中には外国人の姿も見受けられた。
移動すること約45分、「星野リゾート ロテルド比叡」に到着。ホテルがあるのは比叡山の中腹で、標高は650mにもなり雲より高い場所に位置している。
まずは、チェックインと同時にウェルカムドリンクで迎えてもらった。湿度が高いことから、古来より発酵食文化が栄えてきた琵琶湖周辺。「星野リゾート ロテルド比叡」も「発酵」をテーマとしていて、このウェルカムドリンクでは微発酵・半発酵・発酵という3種類のオリジナルほうじ茶を飲み比べできる。口にしてみるとなるほど、これまで慣れ親しんだほうじ茶でも発酵させることで、また発酵具合の違いで、こうも味や香りが異なるのかという驚きがある。琵琶湖の絶景も相まって、旅の冒頭から非現実的な贅沢な気分に。
またこの山床カフェでは、チェックインの時間から17時までフランス伝統菓子のアフタヌーンティーをセルフサービスで楽しむこともできる。さらに夜には美しい夜景が見られたり、19時から24時までは食後酒を飲めたりもする。昼と夜で趣の違う山床カフェ、それぞれのサービスは宿泊者は無料とあってうれしい限りだ。
ホテル内散策~ソムリエがレクチャーするワインテイスティング講座
京都とパリが姉妹都市提携を結んでいることもあって、こちらの施設はフレンチテイストをデザインに取り入れているそう。たしかに優雅で洗練された空気を施設内の至るところから感じることができる。
客室のタイプはスイートルーム1部屋、セミスイートルーム2部屋、愛犬と泊まれるペットルーム1部屋、スタンダードツイン25部屋となっている。
客室でしばしくつろいだ後は、17時からのワインのテイスティング講座に参加。ロテルド比叡のソムリエに、飲み比べを通してワインの品種や発酵過程をレクチャーしてもらった。
ワインに関して詳しくない筆者でも非常に分かりやすい内容で、今後ワインを購入する時に役立つ豆知識を得ることができた。そして、こちらも参加費は無料。
発酵フレンチのディナーに舌鼓!
初日のクライマックスとなったのが発酵フレンチのディナー。滋賀県出身の料理長が作る、フランス料理と滋賀県の郷土料理が融合した「新感覚フレンチ」を堪能できる。
どれも本当に絶品なのだが、特に目を見張るのは高級珍味・鮒鮓を使った「鮒鮓甘露漬けとフォワグラテリーヌ」。4年間熟成した甘露着け鮒鮓は、味がマイルドで驚くほど食べやすくフレンチとの融合にも納得。また鮒鮓には整腸作用が高め、体の不純物を出す作用もあるとか。
料理のほかにも、スタッフの丁寧な説明、ソムリエによるワインのペアリングの提案など、満足度の高いディナータイムを過ごすことができた。(後編へ続く)
山田孝一