明太子、ラーメン、もつ鍋、水炊き、鮮魚に焼鳥etc…。とにもかくにも、「うまい!」がそろう福岡は、スイーツの宝庫でもあります。九州各地のものはもちろん、全国の名店、人気店のものまで、多種多彩なスイーツが集まるのも福岡という地ならでは。
そこで、九州ウォーカー編集部が総力を結集し、福岡で味わえる、厳選・おすすめ・話題のスイーツをリサーチ。
三食をガマンしてでもスイーツを食べたい!玄界灘の荒波よりもスイーツの“甘波”に揉まれたい!そんな私が、福岡スイーツを食べつくします!
チョコレートなくしてスイーツを語るなかれ。王道!チョコレートケーキ
連載開始後、早くも話題沸騰中と私の脳内でウワサの“福岡スイーツ愛”。第2回は「チョコレートケーキ」。それもチョコレートそのものをしっかり、たっぷり味わえる正統派のものを集めてみました。
今回ご紹介するチョコレートケーキも、前回に引き続き『博多阪急』さんでチョイス。チョコレートって、まさにスイーツの王道。スイーツの求道者たるもの、チョコレートを避けて通るワケにはまいりませんことよ。
『アンリ・シャルパンティエ』ザッハトルテ540円
まずは、前回「和栗のモンブラン」で感動を与えてくれた『アンリ・シャルパンティエ』さんから。チョコレートの甘く芳しい香りをまとって現れたのは「ザッハトルテ」。オーストリアの首都ウィーンの伝統菓子で、チョコレートケーキの王様とも称されるケーキです。
しっとりとしたチョコレート生地に濃厚なチョコレートをコーティング。ケーキの上には口当たり軽やかな生クリーム。そして、「ザッハトルテ」に欠かせないのが、ケーキの中に忍ばせたアプリコットジャム!この爽やかなジャムの酸味と香りのおかげで、あと味はさっぱり。このバランスはさすがですね。クラシックなケーキとして愛され続ける理由は、この完成度の高さにあるのでしょう。そう、その味わいはまるで「ウィーン合唱団」のような……えーと、うまいこと言おうとしましたが無理やりすぎてまったく思いつきませんでした(笑)。
『ブールミッシュ』ショコラ・ファン540円
2番手に登場するは、『ブールミッシュ』さんの「ショコラ・ファン」。ケーキの上にあしらわれた小さな板チョコが乙女心をくすぐります。はい、乙女心です。なにか?
ンフフフフ。
この安定感、安心感、信頼感。現役時代のヤクルトスワローズ古田敦也捕手のようです。あ、また世代がバレちゃうじゃない(笑)
しっとりしたスポンジに、ふんわりとした口当たりのチョコレートクリーム。前述の「ザッハトルテ」とは対照的な軽さで、甘党でない人も身構えず味わえるタイプです。チョコレートケーキにありがちなクドさがなく、ペロっといけちゃいますね。ティータイムだけでなく、食後のデザートにも良さそう。オールマイティなひと品です。ちなみに、私は朝起きた直後に食べるケーキが大好き!朝ケーキ最高ですよ。
『シーキューブ』ベルギーチョコレートロール1296円
その名を聞くと、脊髄反射的に「ラブ!」と言ってしまうくらい大好きなベルギーチョコレート。日本でもすっかり市民権を得た感じがありますね。そのベルギーチョコレートをふんだんに使ったのがコチラです。
フワフワというより、フカフカという表現がしっくりくるスポンジ生地は、とっても抱き心地よさそう。その生地に包まれたのは、北海道産生クリームをたっぷり合わせたミルキーなチョコクリーム。そのチョコクリームの中心にもベルギー産のチョコレートを使った生チョコが入っています。軽めの食感と穏やかな甘さの中にあって、生チョコ特有のコクと風味がイイ仕事をしていますね。仕事ができる人ってステキよね。すごくふくよかな味わいです。
『ロン・ポワン』ジャンドゥーヤ1620円
4つめは、千早に本店を構える『ロン・ポワン』さんの「ジャンドゥーヤ」。ルックスはシンプルですが、こういう純朴なたたずまいにキュンときます。「味で勝負!」という決意が感じられてイイ!好きです、こういうの。
ひと口食べると…ほ~ら、ス・テ・キ。
とろけるようなチョコレートはクリーミーで濃厚!ローストしたへーゼルナッツはとても香ばしく、ザクザクとした食感が、まったりとした舌触りの中にあってうれしいアクセントになっています。チョコレートのスポンジ生地とクリームが層になっており、チョコレート本来の味と香りがしっかり。舌の上に残る余韻が、幸せな満足感を演出してくれます。個人的には、濃く淹れたブラックコーヒーと一緒に味わうのがおすすめですね。
『アトリエ ドゥ ゴディバ』シン ガトーショコラ832円&ショコラ カフェ クルスティアン800円
今回はチョコレートケーキということで、専門店である『ゴディバ』さんからは2品をチョイスしました。本当は3つでも4つでも選びたかったけれど!
まずは「シン ガトー ショコラ」から。
ちょっと見てよ、この照り、このツヤ。こんなお肌になりたい(笑)
食べる前にまじまじと見つめちゃいますね。中は香り高く、深いコクのダークチョコレートガナッシュとカカオビスキュイ。何層にも重なり合っていて、丁寧な仕事が光ります。ダークチョコレートの苦味が濃厚なコクと甘味を引き締め、しつこさのない仕上がりになっていますね。いわゆる一般的なガトーショコラとはまったく別物!高級感もプンプン漂います。
もう1つは「ショコラ カフェ クルスティアン」。
んもう、この上品で小ぶりなルックスがニクい(笑)ネーミングもなんだか優雅で、食べる前から期待が膨らみます。こういう演出も味を左右しますね。このあたりはさすがの『ゴディバ』です。
箱に見立てたような板チョコの中は、ダークチョコレートガナッシュ、コーヒーバタークリーム、カカオビスキュイが折り重なった9層仕立て。なんと9層ですよ。ほんとに仕事が細かい。
いやん、濃ゆっ!濃ゆいです。でも重くないんです。そしてリッチ。
なめらかで蠱惑的な舌触りに加えて、異なる味や香り、食感が互いを引き立て合っていて、さながらあまーいオーケストラ。とても奥行きのある重層的なひと品です。どストライク!
『マヌカンピス』グラサージュショコラ2300円
最後は『マヌカンピス』さんです。ここまで6つのチョコレートケーキを食べましたが、まだまだイケます。余裕。
さてさて、この「グラサージュショコラ」。いやん、ゴージャス。
グラサージュとは、チョコレートやソースでケーキをコーティングすることで、この商品のようにツヤツヤしたものは、特にグラサージュミロワールなんて言い方をすることもありますね。ミロワールは“鏡”という意味です。
使用しているのは、またまた出ました、ベルギーチョコレート。美しくコーティングされた表面は、ツヤツヤテリテリ。まさしく鏡のようで、私のおブスな顔まで映ってしまいそうです(笑)。まったりとした舌触り、深ーいコクのグラサージュの下にはチョコスポンジと生クリーム。生クリームのおかげもあって、見ためよりもずっと軽い。どんどん食べ進められます。誕生日や記念日の食卓を彩るにはうってつけの商品ですね。私は1ホール1人でイキますけども。
ああ、チョコレートケーキを食べたあとのこの幸福感と満足感…恍惚となります。もう仕事したくない(笑)。どの商品も、とってもおいしくて完成度も高く、本当に甲乙つけがたい!個人的に好きなのは、『ゴディバ』の「ショコラ カフェ クルスティアン」と『ロン・ポワン』の「ジャンドゥーヤ」。恋人と一緒に食べたいのは『マヌカンピス』の「グラサージュショコラ」かしら。んー、でも普段着っぽい『ブールミッシュ』の「ショコラファン」も捨てがたい!
どれもおすすめなので、ぜひ食べてみてくださいね。これから訪れる冬も、みなさんに甘ーーーい幸せが訪れますように。
[博多阪急]福岡市博多区博多駅中央街1-1 / 092-461-1381 / 10:00~20:00、金土は地下1階~4階のみ21:00まで
【九州ウォーカー編集部/撮影=ピノキオ】
ミシェル