世界が香川に注目!? アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2010」に潜入!【Vol.2】  豊かな自然が育んだ「地元食材」×「アート」で、お腹と感性を満たす!

東京ウォーカー(全国版)

瀬戸内海に浮かぶ7つの島々と高松港を舞台に開催中の国際的アートの祭典『瀬戸内国際芸術祭』。前回の直島レポートに引き続き、今回訪れたのは『豊島』。農業をはじめ、漁業や酪農に至るまで島内で営まれるこの島は、文字どおり食材の『豊かな島』。いちごにみかん、オリーブに野菜にお米…などなど、豊島が育んだ美味食材とアートのコラボレーションも今回の大きなテーマだ。

『アート』と『食』という、異色の組み合わせに胸を膨らませながら、最初に訪れたのはドイツのアーティスト、トビアス・レーベルガーが手掛けた作品『あなたが愛するものは、あなたを泣かせもする』。カフェレストラン「イルヴェント」の内観そのものが作品となっている。なんだかシリアスなタイトル(店名)のメッセージ性もさることながら、何より驚かされるのは空間だ。日本建築の旧家を利用し、第一次世界大戦時の艦船に用いられた“ダズル迷彩”を再現したという内観は、まさに視覚で楽しむトリックアート的要素が満載!

そして、アートを観賞しながら食事も楽しめるというのがこの作品の特徴。夏野菜の醤ずしや海の幸そうめん、豊島産レモンのゼリーなど、贅沢な瀬戸の食材で彩られたイルヴェントランチ(1500円)をはじめ、豊島産いちごのスムージーなどのテイクアウトメニューもあり。何せこの斬新な空間デザインだから、一瞬『ここで食事をするのは落ち着かないかも?』と感じるかも知れないが、意外や意外、居れば居るほど居心地が良くなってくるから不思議だ。

同じく『食とアートのコラボ』で必ず訪れたいのが、安部良氏が古民家を改修して再生させたレストラン『島キッチン』。丸ノ内ホテルの総料理長である山口仁八郎氏曰く、「豊島で食を提供する以上は、豊島のものしか使いたくない」という徹底したこだわりをベースに、丸ノ内ホテルのシェフと豊島のおかあさんたちが一緒になって島特産の美味しい食事を提供。おすすめの『島キッチンセット(1500円)』は、唐櫃米や豊島野菜、豊島汁など、豊島素材の良さを充分に生かした、シンプルながらも味わい深い逸品揃い。中庭のテラスで、心地よい自然光と新鮮な空気を味わいながらのランチタイムなんて、こんな贅沢はここだけでしか味わえない。

もちろん、豊島のアートは『食』だけに在らず。世界中の人々の“心臓音”を収集し、その心音に合わせて明滅する電球を使ったインスタレーション『心臓音のアーカイブ(作者:クリスチャン・ボルタンスキー)』や、宇宙での超新星の爆発に反応し発光するガラスのオブジェ『トムナフーリ(作者:森万里子)』など世界的にも著名なアーティスト作品や、大阪芸術大学豊島アートラボが展開する、閉鎖した海苔工場を使った「ノリとたゆたう。」など、味覚だけでなく、視覚、聴覚、触覚を刺激するアートに注目したい。

さて、お腹も感性もたっぷり満たされたところで、次回は鬼が島として知られる『女木島』、集落に混在するアートが満載の『男木島』、そして「二十四の瞳」の舞台でお馴染みの小豆島をご紹介!それぞれの島で、どんな個性派アートに出会えるのか?乞う御期待!

【東京ウォーカー】

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