2018年8月12日に地方競馬通算勝利数7152勝を達成し、17年ぶりに日本記録を更新した的場文男騎手(東京シティ競馬所属)。同氏の偉業を讃える「的場文男騎手 地方競馬通算最多勝利新記録達成 記念祝賀会」が11月17日に都内で開催された。
当日は「泣けるパラパラ漫画」作品を公開してきた、お笑い芸人の鉄拳さんが登場。初めて競馬をテーマに制作した「大井の帝王」が上映されるなど、会場は大きな盛り上がりを見せた。
9月の東京記念(S1)で“最年長重賞勝利記録”の更新に続き、11月16日に行われた大井競馬第3競走では騎乗したズンバパーティー号を勝利に導き、歴代1位の“年間100勝連続達成記録”となる34年連続35回目の年間100勝を達成。衰え知らずの62歳は、自ら記念祝賀会に華を添えて登場した。
登壇した的場は、「45年間の騎手生活、これまでやってこられたのも皆さまのおかげです。たくさんの応援をいただき、そして7152勝できたことに、よろこびと感謝の気持ちでいっぱいです。ここまで支えていただいてありがとうございました」と、感謝の言葉を何度も述べた。
その後、会場ではJRAの武豊騎手と藤田菜七子騎手からのビデオレターや来場した同郷の歌手・大川栄策が「さざんかの宿」の生歌を披露。
そして、鉄拳がこの日のために制作した、1338枚のパラパラ漫画「大井の帝王」が公開された。
馬に乗る楽しさを覚えた幼少時代から、挫折や怪我を乗り越えて7152勝を達成するまでの道のりを、競馬に見立てて疾走感たっぷりに描かれている本作品。数々の挫折や生死をさまよう怪我を乗り越え、日本を代表する騎手へと上り詰めた的場の人生がぎゅっと凝縮された大作だ。
「大井の帝王」の制作にあたり、的場の動画や本を2か月間見続け「お兄さんとのエピソードにすごく感動した」と語った鉄拳。すると的場は「当時は月にもらえる500円を持って電話ボックスに行った。そこで兄からは“とにかく頑張れ”と励まされた。本当に親父みたいな感じ」と当時のエピソードを明かし、うっすらと目に涙を浮かべた。
的場と固い握手を交わした鉄拳は、「的場さんの人生に比べたら、僕のパラパラ漫画では物足りなくて。どうまとめたらいいかと思って書いてみましたが、大丈夫でしたか?」と尋ねると、「本当に感動しました」と的場は頭を下げた。
「大井の帝王」は現在、東京シティ競馬(TCK)のホームページ内“MATO CHANNEL”ほかで公開中だ。厳しくも温かく的場を応援し続けた兄弟の思い出が収められた感動大作をぜひチェックしてほしい。
安藤康之