出演作が続々公開中の桐谷健太が、絶賛公開中の「BECK」に懸ける熱い思いとは!?

関西ウォーカー

バンドに情熱を注ぐ5人の若者の青春を描いたハロルド作石の人気コミック「BECK」を、豪華俳優陣の共演で実写映画化。才能豊かなバンドメンバーを前に、自分の存在意義を見失ってしまうラップ・ヴォーカルの千葉を演じるのは、ことしに入り「ソラニン」「オカンの嫁入り」と公開作が続く桐谷健太だ。名実ともに人気俳優の彼が、本作に懸ける熱い思いに迫る!

─ことし春に公開された「ソラニン」で演じたドラマーのビリーに続き、今回もバンドマン役ですね。しかも、ラップも自分の声でやりたいと、堤監督と原作のハロルドさんにビデオレターを送ったとか…。

「しゃべっている声とラップの声がちょっとでも違ったら、映画を観ている人の集中力がいっきに散ってしまうと思ったんです。そこがリアルじゃないと、自分の芝居にも自信が持てなくなるし、この映画はどうなるんやって。“もしオレの声でやらせてもらえないなら、ラップをやる人に千葉を演じてもらってください”とまで言いました。それで、レコーディングをしたものを聴いてもらって、OKが出たんです。ラップバトルで披露するラップのリリックも自分で書きました」

─これまでラップの経験はあったんですか?

「友達と遊びでやることはありましたね。ある時、友達にイヤホンを片方だけ渡されたら、ビートだけ流れていて、いきなりラップをし始めたんです。それで“健太もやってみろ”って言われて“ケイタイで結滞な話をするぜ”とかダジャレを返したんですけど(笑)、でも韻を踏むってこういうことかと思って。それからはフリースタイルで10分くらいリリックが言えるようになりました」

─ラップをやるにあたって、心がけていたことはありますか?

「千葉を演じるにあたって、ラップをやっている時の身振り手振りもすごく勉強したんです。リリックの意味と合った動きをしないと、気持ちが相手に伝わらないんですよね。それで、いろんなDVDを観て、カッコいいなぁと思った動きを取り入れて、最終的に自分のカタチになっていきました。テクニックの問題以上に、どれだけ自分の熱い血を千葉に注げるかが、勝負でしたね」

─千葉は天才的なスキルを持つバンドメンバーと違って、自分の才能や存在意義に悩む人間くさいところがすごく共感できるキャラクターですね。桐谷さんは千葉について、どう思いますか?

「オレも千葉と同じような経験をしたことがあるから、気持ちがわかるんですよね。『ROOKIES』シリーズで演じた平塚や、『クローズZERO』シリーズでの辰川役にしても、補欠的なポジションの役を演じることが多いんです(笑)。でも、すべての役に共通しているのが“自分は自分でしかない”と気づいた時に、ものすごく輝くところなんですよ。今回の千葉も(佐藤健演じる)コユキの天性の歌声を聴いた時に“オレってバンドに必要かな?”って思うけど、“自分が自分であれば、オンリーワンの存在だ”と気づいていく。千葉は身近な悩みを抱えているから、すごく共感できるんです。だからこそ、無下に演じたらあかんなと思いました。補欠的なヤツが天才を超えて輝く瞬間がすごく好きですね」

─全身全霊で演じた千葉役。いまはどんな思いですか?

「“オレが千葉なのか? 千葉がオレなのか?”っていう感覚にまでなれたので、すごく満足していますね。今回は気づいたら、千葉になっていたというか。ライブシーンの迫力は自分で何度観てもドキドキしますもん、すごくカッコいいですから。なので、ぜひ映画館で観てほしいです。すでに4回観てるけど、オレも映画館でもう1回観ようと思ってます!」

【取材・文=リワークス】

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