応援したい自治体に寄付ができ、その寄付金が所得税や住民税の控除対象となる「ふるさと納税」。寄付をするとお礼として、地域の特産品や名産品がもらえるとあって、その人気は年々高まりつつある。地場産品など各自治体がその土地の特色を出した返礼品を用意しているが、中にはちょっと意外なものも。ふるさと納税サイト「さとふる」で広報を務める坂平さんにユニークな返礼品を紹介してもらった。
まちのお助け隊「お墓参り代行」プラン(愛知県江南市)
愛知県江南市の返礼品は、驚きの「お墓参り代行」。江南市にお墓があることが条件に、実家が遠くてなかなか行けない人やなどのために代わりにお墓の手入れなどを行ってくれるというプランだ。
「お墓参りや清掃などの代行サービスを提供している事業者がシルバー人材センターなどのケースも多く、ご先祖様への供養だけでなく、地域雇用にも役立っていまして、このような『形のない返礼品』というのは年々増えています。似たようなものですと、福岡県苅田町では親孝行代行サービスというのも行っています。ゴミの片付けや病院の付き添いなどをしてくれるんですよ」(坂平さん)
川場スキー場18-19シーズンリフト1日券(群馬県川場村)
こちらもモノではなくコトの返礼品。春スキーも楽しむことができる川場スキー場のシーズンリフト1日券だ。
「体験型の返礼品が増えている、という中の一つに『実際にその土地で楽しんでいただく』というものがあります。このスキーのリフト券もそういったものの一つです。
シーズン期間中 (2018年12月1日~2019年4月14日) はいつでも使えますし、首都圏から2時間とアクセスがよく、オススメの返礼品です」(坂平さん)
論語の教えがある毎日セット(佐賀県多久市)
返礼品からその街の意外な歴史が見えてくることもある。これは、孔子の里・多久市を象徴するような返礼品だ。
「佐賀県多久市には『孔子の里 多久聖廟』(国指定重要文化財)がありまして、町ぐるみで論語や孔子の教えを説いているそうです。その論語にちなんだものとして、毎月使える日めくりこよみをはじめ、ご家庭やお友達と一緒に遊びながら論語を学ぶことのできる論語カルタや論語がデザインされたボールペンとシャープペンなどがセットになっています」(坂平さん)
MORIWAKI titanium tumbler S size(三重県鈴鹿市)
街の特色を活かした返礼品も多い。鈴鹿サーキットのある鈴鹿市は「モータースポーツの街」として返礼品もそれにちなんだものを用意している。
「鈴鹿市に拠点を置くモリワキエンジニアリングが制作したチタン製タンブラーです。マフラーで使われる素材(チタン)を使っていて、虹色の焼き色がとても綺麗なんですよ」(坂平さん)
伝統製法熟成本みりん・料理酒セット(岐阜県川辺町)
お礼品としての「みりん」は一見ありふれているようだが、このみりんは調味料としてだけではなく飲んでもおいしいというこだわりの逸品。川辺町の担当者も思い入れのある品だという。
「本みりんということで、そのまま飲んでもとろっと甘くてお酒としておいしくいただくことができました。また、料理に入れると砂糖と酒の代わりになってちょっとした手間も省けます。調味料なので賞味期限も2年と長め。他の返礼品と同じ時期に届いても、冷蔵庫の場所を気にせずにすみます」(坂平さん)
その他にも、さまざまな返礼品がある「ふるさと納税」。まだふるさと納税をしたことがない人も、返礼品からその土地のまだ知らない文化が感じ取れるかもしれない。
栗原祥光