毎年注目が集まるグランプリ、今年はオープンわずか2年半という「八乃木」がその栄冠に輝いた。
伝統の味を踏襲しながら自らのスタイルを貫く
あの「すみれ」ののれん分け店として鳴り物入りで開店した同店。オープン初年から新店部門7位、総合14位とその片鱗を見せ、さらに去年の12位から一気にトップに登り詰めた。
看板メニューの「みそらーめん(750円)」は「すみれ」の味を踏襲しながらも、炒め野菜、メンマ、チャーシュー、スープの塩分調整など、日々高みを目指して精進を続けており、もはや「新・札幌定番」とも言える味だ。別鍋で絶妙の火入れであおられたモヤシが香ばしく、口当たりもシャキシャキ。添えられた生姜を溶かすと、また別の風味が味わえる。特に豚骨をじっくりと8時間以上炊き上げ、魚介のエッセンスを加えた濃厚だがキレのある旨味抜群の清湯(チンタン)魚介豚骨スープが、多くのファンの心をつかんでいる。
また、1日20杯限定の「中華そばしょうゆ(750円)」は修業時代に京都で食べた味をヒントに「自らが理想とする味」を具現化。京都産の5種類の醤油とたっぷりの九条ネギが、特注麺によく合う。こちらも評判のメニューとなっており、あわせて注目したい。他にはしょうゆらーめん(750円)、しおらーめん(750円)、みそチャーシュー(1000円)なども提供している。
「全国に4軒しか存在しない『すみれ』ののれん分け。純すみ系の中でも特にバランスが取れたスープが魅力で、道内味噌ラーメンの頂点」(田中一明さん)「濃厚だけれど優しい味わい、そしてていねいな盛りつけ。『彩未』と並ぶくらい、札幌味噌ラーメンとして外せないお店になりました」(森さやかさん)と百麺人も太鼓判!
「毎日自分の信じるラーメン像を追い求め、五感を研いで厨房に立っています。お店に関わるすべての方々に、心より感謝申し上げます」と語る店主 穴澤岳美さんは子どもの頃から父親に連れられ、北海道内のラーメン店を渡り歩き幼少期を過ごす。24歳の時音楽業界への道を捨て、全くの素人状態で「すみれ」の門を叩く。その後13年間の修業を終え、当時3店目ののれん分けとして、この地に「八乃木」をオープンした。
■八乃木 住所:札幌市西区発寒7-14-1-33 電話:011-590-1992 時間:11:00 ~15:00、17:00 ~19:30 ※水は11:00~15:00(各LO)※スープがなくなり次第終了 休み:木 席数:17席 タバコ:禁煙 駐車場:8台(無料)
ラーメンWalker編集部