元サッカー日本代表・中田英寿が監修した、現役引退後初の書籍「に・ほ・ん・も・の」(KADOKAWA)が早くも重版となった。
中田は2006年のサッカーW杯を最後に現役を引退。その後、世界を旅する中で「日本について実はちゃんと知らない」という事に気付き、日本にあらためて注目。日本のことを本気で知るために47都道府県すべてを巡る旅を始めた。期間は6年半におよび、移動距離は20万kmに及んだ。旅を通して中田は、食材から工芸品まで日本各地の素晴らしい逸品と、それを生み出す作り手や職人に出会い続けた。訪れた場所や出会った人の合計は2000を超える。そして、インターネットでは分からない、本当に素晴らしいものが各地に存在する事を実感した。この体験を集大成としてまとめた書籍が「に・ほ・ん・も・の」だ。
本書には高級なレストランや旅館も登場するが、「おみやげ」の章に掲載されている商品は多くの人にとって手が届く価格のはず。人に贈り物をする事が大好きで、スイーツに並々ならぬこだわりを持つ中田が全国から厳選したおみやげは、一生に一度は食べたいもの、そして人に贈りたいものばかりなので必読だ。
たとえば東京・西荻窪のパティスリー「アテスウェイ」。スイーツ好きの中田が「洋菓子店の中で一番好き」と太鼓判を押す店だ。ケーキ、焼き菓子、パンといずれもがハイレベルで、中田をして「オールラウンダー」と言わしめる。日本酒に情熱を傾ける中田の提案で、日本酒を用いたアイスクリームやクッキーも開発している。
ケーキやシュークリームだけでなく、和のスイーツも充実。たとえば京都市の「京菓子司 末富」の「京ふうせん」(25枚1080円)。小さな麩焼きせんべいを風船に見立て、5色の砂糖でカラフルに彩ったものだ。
また、手に入るかどうか分からない幻の商品も掲載している。たとえば徳島・佐那河内村の「ももいちご」。いちごには練乳をかけて食べるもの、と考えていた中田が練乳をかけずにそのまま食べて、そのおいしさに衝撃を受けたという。食べる手が止まらなかったとのエピソードを聞くと、なんとしても食べてみたいが至難の業だ。
「おみやげ」という日本独自の文化をこよなく愛す中田が全国から厳選した珠玉の品々をぜひ手に入れて味わい、あるいは大切な人への贈り物にしてみよう。
編集部