本仮屋ユイカ「熱くなることって、悪いことでも恥ずかしいことでもないんだなって思いました」

東京ウォーカー(全国版)

本仮屋ユイカさんの主演舞台「みみばしる」が開幕


舞台「みみばしる」主演の本仮屋ユイカさん


 2月7日、本仮屋ユイカさんが主演を務める舞台「みみばしる」の会見が本多劇場で行われ、本仮屋さん、作・演出の松居大吾さん、音楽監督の石崎ひゅーいさん、玉置玲央さん、前田航基さん、ゆうたろうさんが出席した。本作は、開局30周年のラジオ局「J-WAVE」と創立10周年を迎えた松居大吾率いる「劇団ゴジゲン」によるプロジェクトで、J-WAVEの番組「JUMP OVER」の中でリスナーキャストオーディションを行うなど、ラジオと舞台と音楽のボーダーを超えた作品となっている。

【写真を見る】前列左から、松居大吾さん、本仮屋ユイカさん、石崎ひゅーいさん、後列左からゆうたろうさん、玉置玲央さん、前田航基さん


 聞きなれない「みみばしる」というタイトルの意味について聞かれると、松居さんは「この言葉は造語で、普段受信しかできない耳ですけど、耳で聞いたことを“口走る”と同じように行動して、発信する側になるという意味があります」と説明。

作・演出の松居大吾さん


 本仮屋さんは本作で舞台初主演。30歳になった時に会社をクビになり、現在は劇団の手伝いをしている妙子という女性を演じている。「主演なんですけど、そこはあまりピンと来ていなくて。というのは、私はたまたまセリフが多かったり、出ている時間が長い役割なだけで、全てのキャストが主役なんです」と、主演ということに対して気負いがないという本仮屋さん。「みんなが熱くて、輝いていて、重要な使命を持って舞台に立っているのをひしひしと感じています。熱くなることって、悪いことでも恥ずかしいことでもないんだなって思いました。お仕事だから、演技だから、舞台だからとかじゃなく、みんなが『どうしたら良いものになるのか』という一点だけに集中して毎日毎日進んでいく姿を見ていると、その中に参加できていることが本当に幸せだなと感じました」と今の心境を語った。

舞台「みみばしる」より


 音楽もこの作品において重要な役割を果たしている。音楽監督を務めた石崎さんは「松居くんからプロットをもらった後、松居くんに家に来ていただいて、僕が作る”ひゅーちゃん鍋”を食べながら『ここはこんな感じじゃないか』というやりとりをして、そこから僕が作ったものを松居くんに投げて、また僕が受け取って、というキャッチボールが何度かありました。そのキャッチボールがすごく面白かったです。僕の歌が物語にそのまま反映されてシーンが作られていったり、シーンの中にある役者さんの言葉が僕の歌詞になったり。この舞台のコンセプトの“クロスオーバー”というか、音楽と演劇の境界を超える作り方をさせていただきました。すごく満足しています。演劇と合わさると音楽のちからって倍増するんだなって思いましたね。やればやるほど、どんどん良くなっていくから何回見ても楽しい舞台なんじゃないかなって思います」と制作の過程と出来あがった作品について答えた。。

音楽監督を務める石崎ひゅーいさん


 見どころを聞かれると、松居さんは「この作品を見た人が何かを感じて、心が動いて、『誰かに伝えたい』とか『自分が何かをやってみよう』とか、発信者になるきっかけになったらすごくいいなと思います。見た人は感想を1ツイートしてください(笑)」と語り、続けて石崎さんは「見たことのないことをしようとしているので、ゴールがないんです。チームみんなで走っている姿を見ていただきたいなと思っています。それで、見に来てくれている人たちが一緒に走り出してくれたらいいなと思います」とコメントした。

舞台「みみばしる」より


本仮屋ユイカさん「ぜひご自身の物語としてご覧いただきたいので、劇場に足を運んでいただけると幸いです」


 そして本仮屋さんが「この物語に出てくる人たちはラジオが大好きで、ラジオがないと生きていけない人たちです。でも、ラジオをあまり聴いていないという人たちも、自分の生活の中で『これがないと嫌なんだよな』と大切にしているものがきっとあると思うんです。今回、ラジオがテーマになっていますが、そういう意味で、全ての人たちの物語だと思います。空気を読まなきゃいけないとか、変なことを言っちゃいけないとか、いろんなことを察しながら窮屈な雰囲気が漂う中で、妙子もそういう葛藤があって、それを乗り越えていくので、みなさんも一緒に乗り越えたような爽快感をきっと感じていただけると思います。ぜひご自身の物語としてご覧いただきたいので、劇場に足を運んでいただけると幸いです」と締めくくった。

舞台「みみばしる」より


 「みみばしる」は2月17日(日)まで本多劇場で上演。2月23日(土)・24日(土)は福岡・久留米座、3月1日(金)〜3日(日)は大阪・近鉄アート館で上演される。

舞台「みみばしる」会見より


取材・文=田中隆信

ウォーカープラス/野木原晃一

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