19年のJ1リーグがいよいよ開幕。昨年はアンジェ・ポステコグルー監督のもと、超攻撃的サッカーを展開し、J1リーグ総得点数2位という結果を残した横浜F・マリノス。昨年はチームの基盤作りということを考えると、監督2年目に入る今年はさらなる飛躍を期待せずにはいられない。そこで、今年から伝統の背番号‟10”をつけ、横浜F・マリノスをけん引する天野 純選手に意気込みを聞いた!
横浜F・マリノスのキーマン・天野 純選手を直撃!栄光の10番、優勝への意気込みを語る
―――今年からついの背番号10!今の気持ちは?
「やはり特別な番号です。小さい時からマリノスを見て育ってきたので、10番を背負う重みというのはチームの中でも一番わかっていると思うし、そのうえで10番をつけるという決心をしました」
―――決心をした理由というのは何かあったのでしょうか?
「昨年までの自分のプレーを見て、自分の中でもうひと皮、ふた皮むけ切れていない部分があり、そこをどう脱して自分をレベルアップできるかと考えた時に、10番をつけるなどのプレッシャーも大事な要素の一つと思ったんです。この10番をつけて活躍できればチームの勝利にも貢献できますし、自分もさらに成長ができると思います」
―――新シーズンを新しいチームで戦うにあたり、天野選手がチームをまとめる役割も大きくなりそうです。
「もちろんそういう気持もあります。しかし、初心を忘れないというか、新しい人からもいろんなことを吸収できると思いますし、まだまだ貪欲に成長をしていきたいというところもあります。なので、自分がというより、みんなで一緒にチームが成長していけたらいいなと今は思っています」
―――アンジェ・ポステコグルー監督2年目となる今年は、昨年からのサッカーを完成させるというイメージかと思いますが、天野選手はどのような戦いをしていこうと考えていますか?
「去年の積み上げを大事にしたいし、リーグ2位という得点力を持っているチームなので、やはり優勝はしないといけないと思っています。開幕からほかのチームはもちろん、Jリーグを見ている人も驚かすような試合をしたいと思います」
―――昨年の戦いを振り返り、今年への改善点もあると思います。
「ゴールへのパターンがいくつかあるなかからの得点が多いのですが、昨年上位のチームとの対戦で、そのパターンを抑えられた時に得点を取れないということもありました。本来ならそういう時は‟個”で決まったパターンから違いを作りださないといけないのですが、それが上手くできていなかったですし、そういうプレーは自分がしなくてはいけないので、そこは自分の責任と思っています。今年は‟10番”も背負うわけですし、チームが苦しい時は自分がどうにか打開して勝てるような試合作っていかなくてはいけないと思います」
―――李 忠成選手の加入など、新戦力も多くいろいろな試合運びができそうです。
「李選手は経験豊富ですし、高さも使えるようになるので、そういうストロングポイントが増えたのはかなり大きいと思います。そのほかにもマルコス・ジュニオール選手や三好康児選手など質の高い選手が加入してくれましたので、新しい選手と練習や試合を重ねていき連携を深め、そして切磋琢磨して自分のレベルも上げていければいいなと思います」
―――天野選手自身の目標はありますか?
「やはり、セットプレーも合わせて10ゴール、10アシストはしないといけないと思っています。そうすればチームの勝利数も増えますし、日本代表入りも見えてくると思いますので、そこは常に狙っていきたいです」
―――日本代表入りというのはやはり大きな目標ですね。
「もちろんそうですね。昨年9月のキリンチャレンジカップ2018 で初めて代表入りできたことで、日本代表の主力を張るためには何が必要かということもわかりましたし、自分にとっては大きな経験でした。常に呼ばれるような存在でいたいと思いますので、そのためにもF・マリノスでしっかりとプレーをしてくことが大事だと思っています」
―――2月23日(土)にはガンバ大阪との開幕戦、そして3月2日(土)には日産スタジアムでベガルタ仙台を迎えてのホーム開幕戦を迎える。
「もちろん今年初戦のガンバ大阪に勝つことは大事だと思います。また、やはりホーム開幕戦のベガルタ仙台戦はファンの盛り上がりも違いますし、絶対に勝ちたいと思います。仙台には昨年は8-2、5-2と勝っていますが、もちろんその対策はしてくると思います。でも、ホームの開幕戦なので、ここは絶対に勝たないといけないと思っています」
―――3月10日(日)には日産スタジアムで川崎フロンターレ戦があるなど、今年もやはり神奈川ダービーは盛り上がると思います。天野選手の神奈川ダービーへの意気込みを教えてください。
「フロンターレは同じようなサッカーをするので、今年はまず自分たちがボールを支配することが大事。それで勝ちたいと思います。ベルマーレには昨年のルヴァンカップ決勝で負けているので、その悔しさは今でもありますし、なんとしても晴らしたいと思います。ベルマーレはよく走ってがんがんプレスをかけてくるチームなので、そのプレスにびびってボールをつなげなくなったら向こうの勝ちだと思いますので、そこのプライドのぶつかり合いは見てほしいと思います」
引退したレジェンド・中澤佑二選手への思い
―――長きに渡り横浜F・マリノスを引っ張って来た中澤佑二選手が引退をされました。天野選手も大きな影響を受けたと思います。
「自分は5年間すごくお世話になりました。昨年は本当に佑二さんとタイトルを取りたいという思いで挑みましたけど、それができなくてくやしかったです。自分は今年も(現役を)続けるものだと思っていたので、今年こそはと考えていました。引退されてしまったのでそれはできないですけど、直接会う機会があったらきちんと感謝の気持ちを伝えたいです。佑二さんがいなかったら今の自分はいないと思っています」
―――今年はプレーでも感謝の気持ちを伝えないといけない大事な一年になりそうですね。
「佑二さんと一緒に今年もやりたかったですけど、タイトルを取ることが少しなりとも恩返しじゃないですけど、大事なことだと思います。自分たちのプレーを見て喜んでもらえたらうれしいです」
―――最後に横浜F・マリノスを応援する読者やファンへメッセージを。
「佑二さんへの思いもありますが、今年はなんとしてもタイトルを取らないといけないと思います。そして見ていてワクワクする試合、劣勢な時には自分のプレーで打破していく。そんな姿をお見せできるよう頑張ります」
取材・文/瀧本充広