小田原は歴史散策やグルメのほかにも、古い建物が立ち並ぶさまも見応えがある街だ。「だるま料理店」や「清閑亭」など、登録有形文化財も多数あり、古きよき時代の小田原を感じられるのが魅力。そこで、昔の建物をそのまま活かしたショップや飲食店など、穴場の「古い建物」を紹介!
築約100年の建物、実は人気ラーメン店
人気のラーメン店「鯵壱北條。」。1922(大正11)年築の木造建物だ。濃厚なコクを感じる、アジと醤油のオリジナルスープに自家製麺、そして小田原名物のカマボコなどが乗ったご当地ラーメンが味わえる。
中に入ると、木を基調とした、昔の面影をそのまま残す落ち着いた雰囲気。カウンターと小上がりの席、離れなどがあり、実は外国人の観光客にも大人気だ。
「鯵醤油ラーメン」(1,000円)。江戸時代初期、この地には「桶屋」があったことから、この店のラーメンの器には「木桶」を使用している。シックな雰囲気の中、小田原のうまいものがギュッと詰まった1杯をぜひ味わって。
温故知新を感じるレトロおしゃれなカフェ
続いて「good music and life.cafe ももすけ」。棚には約2,000枚のCDが並び、ブラジル音楽などラテン系音楽を中心としたBGM、そして月1回ライブも開催される。元商家だった建物を活かした造りで、天井を見上げてみると、昔の配電などを見つけることができる。
ランチのおすすめは、「ももすけキーマカレー」(900円)。野菜たっぷりヘルシーなカレーで、サラダなどの小鉢もセットでお得!
昔の旅籠の風情を感じられる観光案内所
観光拠点となる施設も古い建物。「小田原宿 なりわい交流館」は「網問屋」を再整備した建物。誰でも立ち寄れる「お休み処」や市民活動の発表の場として、気軽に利用できる。
実はこの建物、関東大震災によって被害を受けた建物を、1972(昭和7)年に再建したもので、小田原の典型的な商家の「出桁造り」という建築方法が用いられている。2階正面は出格子窓になっていて、昔の旅籠の雰囲気を醸し出しているのも特徴。
内部の意匠も見応えがあり、特に2階は、震災後の耐震工法として採用された洋小屋の構造を取り入れるなど、当時の小田原の時代背景を感じさせる貴重な建物なのだ。
ここでは、毎月第1・3土曜・日曜に「利きかまぼこ」を開催。小田原蒲鉾協同組合加盟12社中、6社のカマボコの食べ比べ(500円)が体験できる。建物の雰囲気を楽しみつつ、お気に入りのカマボコを見つけるのもアリ!
鯵壱北條。オーナーの林さんによると「私たちの地域には、古民家・古商家が多く残り点在しております。昭和初期のコンクリート造りの「グッドドリップカフェ」や、築80年の懐石料理の店「清風楼」、古商家の「すみれcafe」、古民家の「天然酵母パン 麦藁(むぎわら)」など、まだまだいろいろありますよ」とのこと。今度の休みは、小田原さんぽで古い建物巡りを楽しんでみては?【構成=濱口真由美、取材・文=石澤理香子、撮影=奥西淳二、島本絵梨佳、伊東武志】
横浜ウォーカー編集部