桂文枝が290作目の創作落語を初披露! なんと78歳の恋描く オリンピックイヤーには300作目を目指す

関西ウォーカー

2月26日、大阪市北区の天満天神繁昌亭で、「第117回創作落語の会」が開催された。これは落語家の桂文枝(当時は桂三枝)が中心となり、1981年3月から開催している会で、過去数々の創作落語が披露されてきた。今回はこの場で桂文枝の290作目の創作落語が披露されるとあって落語ファンが客席を埋め尽くした。

78歳の恋をユーモアたっぷりに、少し哀愁も交えながら語る桂文枝。300作目に向けて意欲を燃やす


桂三ノ助は「GUNSHI」を披露。豊臣秀吉の軍師・竹中半兵衛と黒田官兵衛が大阪弁でやり合うという、ユニークな発想だ


高座では桂文路郎の「ハラハラ」、東京の落語家の昔昔亭A太郎の「むすびな」、桂三ノ助の「GUNSHI」、桂三歩の「世界ふしぎ体験!」(桂文枝作)、桂三金の「おばあちゃんの約束手形」、桂文枝の「朝霧のしのび逢い」の6本の創作落語が演じられた。

3月場所を控えた力士のような桂三金は引退した力士を主人公にした「おばあちゃんの手形」を披露


内容も時事を取り上げたものやファンタジー的要素を盛り込んだものなど多岐にわたり、それぞれの噺家の個性が表れて聞き応え満点。客席からも度々大きな笑い声が起こっていた。

文枝の「朝霧のしのび逢い」は1963年に公開されたギリシャ映画「夜霧のしのび逢い」のタイトルの一部を変えたもので、現代を舞台に妻を亡くして28年ぶりに恋をする78歳の男性と、年上の女性の恋の行方を描く創作落語。恋のときめきと、高齢ゆえの悲哀や衰えなどをからりと描き、笑わせてくれる。

文枝は上演後の囲み取材で「年齢に合った話を作ろうと思っていた。なんとかこれからもやれるネタができたと思う。しばらく他の噺で思うようにネタができず、もんもんとして今日を迎えたが、お客さんがとてもあたたかく、なんとか290作目を披露できた。笑い声を聞けてホッとした。自分は75歳だが、78歳になったときにはきちんと完成していると思う」と290作目の感想を報道陣に語った。また、300作の大台については「できればオリンピックイヤーを目指して頑張りたい」と意欲を見せた。

鳴川和代

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