神奈川のラーメン界を今後引っ張っていく店主10人が、2018年11月~2019年8月までの1年間、ひと月に1店舗ずつ「ラーメンWalker神奈川2019」読者のために限定麺を作り、たすきを繋いでいくラリー企画。今回は各店主のチャレンジ精神があふれた一杯に注目が集まる!
鯛の旨味づくし! な上品な一杯
2019年3月の担当は、大倉山の「らーめんshigetomi」。毎週火曜開催に加え、10日の日曜も昼限定で開催する。杯数は昼夜ともに15杯ずつ。昼に行けなくても、食べられるチャンスがあるのはうれしい! 筆者も初日の夜営業に行ってみた。「お祝い仕様」というテーマしばりの今回のラリー。鯛を食材にすることは以前から構想があったというが、定番の食材ゆえ、我々の期待はどうしても上がってしまう。そんな心配を、shigetomi流の丁寧かつ独創的なアイディアで突破してくれた。
「鯛の祝いSOBA」(950円+鯛茶漬け50円、昼夜各15杯限定)。試作時よりも見た目が豪華。鯛のピンクがかった白身部分と、紅くるり大根が紅白がかり、お祝い感を演出しているようにも見える。旬の菜の花や桜の塩漬けが華やかさをあと押し! 春らしい〜!! スープを一口すすると、鯛の旨味がブワッと口いっぱいに広がる。通常の魚介よりも、上品でクリア。えぐみは一切感じられない。モチっとしながら歯切れのいい麺をすすると、さらに湯気でふわっと香りが舞い、より味わいは濃厚に。よくスープを纏っている。桜の塩漬けの部分は、ほんのり桜の風味を感じられる。紅くるり大根の上に乗った鯛の切り身は2種。昆布締めは半レア状態、塩麹焼きはほくほくとした食感で、いずれも高レベル。鯛の切り身まで味わい、贅沢な気分に。
噂の紅白のタピオカも発見! どうやら甘いタピオカではなさそうだ。白いスープと一緒にレンゲに入れてすすると、これは柚子・・・! そして、赤い方のタピオカをすすると・・・辛い! どうやら唐辛子だ。店主に聞いたところ「鯛と桜の風味を生かした方法はないかと考え、タピオカに至りました。手作業で丸めてます。」とのこと。たしかに味の変化も楽しめるが、タピオカにするとエッセンスは溶け出さないので、最後まで鯛の旨味100%のスープが味わえるのだ。元のスープを残したまま、変化をつける。これは初めての体験!
最後まで鯛づくし、というのがこの限定麺。小さなご飯とあられが+50円でつけられ、残ったスープを鯛茶漬けにして食べられるのだ。これがまたたまらない。スープの温度が少し下がり、少し塩気が出てきたところでご飯にIN! あられの香ばしさもマッチしている。最高のシメとなった。この鯛茶漬けを食べずして、鯛の祝いSOBAは完成しない・・・!!
毎週火曜+10日(日曜)の昼のみ開催
通常であれば、日曜・月曜は連休の「らーめんshigetomi」だが、3月10日の日曜は臨時で開店。この日は昼営業のみとなるのでご注意を(通常メニューも注文可)。筆者は初日の夜営業が開始した直後に行ったのだが、初日の昼は営業開始前に10名程度の待機列ができたとのこと。夜は、19時ころ店を出た時点で8割ほどの客が限定麺をオーダーしている様子だった。昼夜で各15杯、と杯数は少ないが、確実に味わえるチャンスがあるこの限定麺。ぜひ、味わって春を感じてもらいたい。
「らーめんshigetomi」のこの限定麺が食べられるのは2019年3月10日(日・昼のみ営業)、12日(火)、19日(火)、26日(火)。食券ではなくレジ対応なので、注文する前に「ラーメンWalker神奈川2019」をスタッフに見せよう。ラーメンと一緒に、お品書きのようなものと一緒にシールが付いてくるしくみだ。この丁寧な心配りからも、仕事ぶりが垣間見れる。見よ、この鯛づくし!
【らーめんshigetomi】住所:神奈川県横浜市港北区大倉山1-2-16 電話:045-543-9226 時間:11:30〜14:30、18:00〜22:00(LO)※スープがなくなり次第終了 休み:日曜・月曜(10日は昼のみ営業) 席数:11席(カウンター5、テーブル6)※禁煙 駐車場:なし アクセス:東急東横線大倉山駅より徒歩1分
※限定麺を食べるには必ず「ラーメンWalker神奈川2019」が必要です(1人1冊、電子版不可)。
【ラーメンWalker神奈川2019】限定麺ラリー参加店舗(18年11月)ナルトもメンマもないけれど。、(18年12月)想〜SOU〜、(19年1月)53's Noodle、(19年2月)麺や でこ、(19年3月)らーめんshigetomi、(19年4月)味噌ラーメン 雪ぐに、(19年5月)うまいヨゆうちゃんラーメン、(19年6月)徳島NOODLE ぱどる、(18年7月)拉麺大公、(19年8月)麺屋BISQ
【取材・文=濱口真由美】
横浜ウォーカー編集部