鳥取県鳥取市の流しびなの館周辺で4月7日(日)、「もちがせ流しびな」が開催される。
もちがせの流しびなは旧暦の三月三日のひなまつり、男女一対の紙雛を桟俵に乗せ、桃の小枝と椿の花や菜の花を添えて、災厄を託して千代川(せんだいがわ)に流す。無病息災で一年間幸せに生活できますようにと願う、情緒豊かな民俗行事だ。1985 (昭和60)年、県無形民俗文化財に“もちがせの雛送り”として指定されている。
担当者は「もともと物忌みの行事で、紙などで人形(ひとがた)を作り、これで体をなで、災いをその人形にうつして川や海に流す行事から生まれた風習です。この行事がいつの頃から始められたのか、文献等の記録が少なく定かでありませんが、『源氏物語』に源氏の君が祓いをして人形を舟に乗せ、須磨の海へ流すという著述があり、雛流しそのものの原型は、遠く平安時代にさかのぼるといわれています。ここ用瀬には今日まで、時代の変遷と共に形を変えながらも、“もちがせの流しびな”として受け継がれています」とその歴史を教えてくれた。
無形民俗文化財にも指定されている「もちがせの雛送り」。観光客もひな流し体験や流しびな制作体験もできるので、ぜひ行ってみよう。
ウォーカープラス編集部