「いちご戦国時代」95%が県内流通など、ご当地色強い理由とは?

東京ウォーカー(全国版)

これから旬を迎える、とっても柔らかい“春いちご”「越後姫」をご存知だろうか?新潟県のオリジナル品種で、その生産量の約95%が県内で流通し、首都圏ではなかなか出会えないレアないちごだ。このいちごを「皆さまに知っていただきたい」と、現在PRを推し進める新潟県農林水産部は、東京・銀座を代表する老舗「資生堂パーラー」とコラボレーションし、特別なパフェを開発。同部に、群雄割拠する現在のいちご市場の動向や、ご当地色が強い品種が生まれるわけ、そして観光のきっかけとなるよう企画された今回のコラボに込められた思いを聞いた。

新潟県農林水産部が資生堂パーラーとコラボレーション


通常と違い、各都道府県による品種開発が大きな要因


新潟県農林水産部 食品・流通課 販売戦略班主任の山吉恭平氏に、近年のいちご市場について聞いてみると「戦国時代です。各都道府県でオリジナル品種を作っているくらい、いろんな品種が出ていて、いまは“ご当地を象徴するような品種”の戦争になっています。人気なのは、大粒で甘いものですね」と、現在のいちご市場の動向を説明。

さらに「品種の育成も活発です。通常、農産物の品種の開発といえば民間企業が強いのですが、お米やいちごについては各都道府県が作ることが多いので、それがご当地色が強くなる要因だと思います」と、いちごの品種開発の特性についても話す。

雪の中じっくり熟成…その土地に適したいちごの条件がある


【写真を見る】柔らかくジューシーな食感が特徴で、香り高く、甘みが強い「越後姫」


また、「いちごは“土地の条件に適した品種”が求められていることもあり、味や食感、出回る時季もその土地土地で異なっていますが、新潟県では、日照時間の短い雪国でも栽培できる品種として開発された、柔らかい品種の『越後姫』がお馴染み」とのこと。出荷量のピークは、雪国の気候の中でじっくりと熟した後の春(4月)に迎え、この時季に食べると、1年で最も甘く、うっとりとするような芳醇な香りも楽しめるのだという。

柔らかい果肉のため、県外に流通させる際はエアーサスペンションを装備したトラックで輸送。いちごを一つ一つ包みこみ宙吊りにする包装資材などを使用し、輸送中の衝撃を緩和している


「越後姫」は、柔らかくジューシーな食感が特徴で、香り高く、甘みが強い。新潟県民に愛されており、県内では1パック498円ほどで販売されているというが、首都圏では、百貨店や老舗のフルーツ取り扱い店、オンラインショップとごく限られた場所で購入するしかなく、高級フルーツとして12粒5000円前後で販売されている(4月からは1粒単位で500円前後で販売予定)。

県内流通約95%の希少な“春いちご”を観光のきっかけに


今回、このいちごをもう少し身近に楽しめるようにと、資生堂パーラーとコラボした新潟県農林水産部。山吉氏は、その理由について「もっと知っていただきたいというのと、このいちごを食べに新潟に遊びに来ていただきたいというのがあります」とアピール。「これから来ていただければ、お花見といちご狩りを同時に楽しむこともできるんですよ」と、この時季ならではの遊び方も提案してくれた。

「資生堂パーラー 銀座本店 サロン・ド・カフェ」で提供される「新潟県産“越後姫”のスペシャルストロベリーパフェ」(2380円)


そして「越後姫」が1年で最も甘くなる最高のシーズンに食べられるのが、「資生堂パーラー 銀座本店 サロン・ド・カフェ」で提供される今回のコラボメニュー「新潟県産“越後姫”のスペシャルストロベリーパフェ」(2380円/4月2日~30日に提供)。いちごが広がる王冠のようなデコレーション“クラウンスタイル”を進化させた(いちごの量を既存のパフェより増加させた)スペシャルな仕上がりで、「越後姫」を丁寧に手作業でつぶして作ったソース、濃厚ながらサッパリとした味わいのバニラアイスクリームがポイントになった贅沢なパフェだ。同店シェフいわく「甘味と酸味のバランスにこだわりました」とのこと。新潟県外で越後姫を食べられる貴重なチャンスに是非、この豪華なパフェを食べてみては?

平井あゆみ

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