復活した奈良・春日大社の巨大太鼓!4月1日から一般公開

関西ウォーカー

春日大社国宝館(奈良県奈良市)で、本格修理を見事に終えた鼉太鼓(だだいこ)が、4月1日(月)からの一般公開に先立ち、3月27日鼉太鼓の組み立て作業が報道陣に公開された。

修理を終え、今回報道陣に公開された右方の太鼓(右)。火焔宝珠をかたどり右方には鳳凰、左方(左)には龍が彫刻されている


鼉太鼓は、屋外の舞楽に使われる左方・右方一対の太鼓で、総高6.58mもある巨大なもの。春日大社のものは源頼朝寄進という伝承があり、重要文化財に指定されている。昭和51年までは「春日若宮おん祭」で使用されていたため傷みや汚損が激しく、2015年の4月から左方、右方の順に2年ずつ、約4年の歳月をかけて本格修理が行われた。明治36年から38年に岡倉天心監修により、日本美術院で本格的な修理が行われて以来約110年ぶり。

【写真を見る】立体的で躍動感にあふれる彫刻が見事。近くで見るととても丁寧につくられていることがわかる


今回の修理により、金箔押しや彩色がかなりの箇所に残っていることが確認されたほか、火焔彫刻の調査によって迫力のある彫りや丁寧な仕上げなど、平家により南都焼き討ちから南都復興に携わった一流の仏師による制作であることが認められた。

国宝殿1階に展示されている復元された現代の鼉太鼓。昭和52年から毎年行われている「春日若宮おん祭」ではこの太鼓が使われている


4年ぶりに鼉太鼓が春日大社に戻り、国宝殿では新旧二対の鼉太鼓を見られることになる。今回の平成の大修理完成を記念して、4月1日(月)から国宝殿で、重要文化財の舞楽面や国宝の楽器などとあわせて一般公開される。

王朝の美術工芸、日本を代表する甲冑や刀剣など国宝352点、重要文化財971点をはじめ、多くの文化財を鑑賞できる春日大社国宝殿


■平成の大修理完成記念 初公開 鼉太鼓【Da-daiko】超迫力の鎌倉彫刻、復活した世界最大級の太鼓/期間:4月1日(月)~9月1(日) 時間:10:00~17:00(最終入館16:30) 休み:6月12(水)は展示替えのため休館 料金:大人500円、高大生:300円、小中生:200円

■春日大社/住所:奈良県奈良市春日野町160 電話:0742-22-7788 時間:6:30~17:30、11月~2月7:00~17:00 休み:なし 料金:境内無料 駐車場:100台 交通:JR奈良駅、または近鉄近鉄奈良駅より奈良交通バス春日大社本殿行、終点すぐ

惣元美由紀

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