「マンガの神様」と呼ばれ、ストーリーマンガの第一人者とも言われる手塚治虫。その出身地 兵庫県宝塚市にある「手塚治虫記念館」が第1期のリニューアルを終え、2019年4月1日にオープンした。開館以来25年ぶりとなる今回の大幅リニューアルでは、1Fの常設展示室を再構成。展示品の入れ替えや年表のボリュームアップなどで、宝塚市と手塚治虫の関係がよりよくわかる展示となった。
さらにエントランスのステンドグラスやピロティの天井を開館当時の色彩に復元。館内照明にもLEDが導入されて明るい印象になった。説明文に英語を追加、海外からの観光客も展示を楽しめる。
1Fの常設展示室では、宝塚市と手塚治虫の関係を軸に大幅な展示替えを行った。一部にモニターなども追加され、より見やすい展示となった。
手塚治虫が手がけたアニメの映像などを見られる2Fの情報・アニメ検索機は作品構成を変更。アトム誕生の年である2003年に放映された「ASTRO BOY 鉄腕アトム」なども追加された。またハードウエアの更新により、処理スピードがアップ。ストレスなく映像作品を楽しめるようになった。
2Fの単行本展示棚はテーマを決めて展示する「テーマ展示棚」にリニューアル。一部期間を決めて展示替えが予定されており、何度来館しても楽しめるようになっている。
テーマ展示棚では現在、マンガ家達が描いた手塚キャラクターの色紙を展示中。東京と宮城で開催された手塚治虫生誕90周年記念 チャリティー展示会用に描かれたもので、約90点が10月28日(月)まで3回に分けて展示される。「キャンディキャンディ」のいがらしゆみこや「風と木の詩」の竹宮惠子、「スプリガン」の皆川亮二などの豪華メンバーによる手塚キャラクターのイラストを鑑賞できる。
6月24日(月)まで企画展として「生誕90周年記念 OSAMU TEZUKA MANGA NO KAMISAMA Ⅱ フランスからみた手塚治虫」を開催。2018年にフランスのアングレーム国際漫画祭で、手塚治虫生誕90周年を記念して開催された特別展示の内容を再現。フランスのキュレーターによる作品選定やキャプションなど、海外からみた手塚作品を知ることができる。
今回のリニューアルにあたり、手塚治虫の息子であり、手塚治虫記念館の名誉館長兼総合プロデューサーの手塚眞氏は「開館後初の大幅なリニューアル。館内が明るく綺麗になった」とし、企画展について「海外では手塚作品は絵柄が幼いとして、子どもの漫画だと思われていたが、近年その内容が評価されるようになってきた。今回の企画展ではフランスのキュレーターが選んだ手塚作品が見られる。海外の人からみた手塚作品、どのような場面を選んでいるかも興味深く面白い」と語った。また「25年も続けられるというのはとてもありがたい。地元や手塚作品を愛してくれる皆様のおかげだと思っている」と手塚ファンへの感謝を述べた。
4月25日(木)から5月6日(祝)にかけては、トークイベントやミニコンサートなどの記念イベントも開催。記念ノベルティーの配布や、全問正解者に抽選で手塚作品単行本が当たる館内クイズラリーなども予定している。ノベルティー配布は無くなり次第終了。詳しくは公式ホームページを参考にして欲しい。今回のリニューアルは2回に分けて実施。2019年冬期に休館し第2期リニューアルを予定している。
■手塚治虫記念館
住所:兵庫県宝塚市武庫川町7-65 時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで) 休み:水曜日
二木繁美